1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」 (社会福祉法人 伸こう福祉会)《後編》
2019年05月20日

介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」 (社会福祉法人 伸こう福祉会)《後編》

特長その2:ラウンジから望む、色とりどりの「薔薇」が自慢の庭園

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」の後編です。


 前編では「クロスハート石名坂・藤沢」の3つの特長のうちの1つ、「天然温泉」について、源泉名から泉質、効能に至るまで取材させていただきましたので、後編は残り2つの特長について。ええっと、特長その2は何でしたっけ?藤澤さん。

「それは食堂に行けばわかりますので、ご案内しましょう」
 はいはい、行きましょう。食堂ということは、特長その2は「食事」ですね? そういえば、クロスハート・シリーズの食事は美味しいと評判ですし、前回試食させてもらった「クロスハート湘南台・藤沢」の食事も美味しかったですからね。

「ええ、食事もうちの自慢の1つであることは間違いありません。手作りにこだわり、厨房スタッフが心を込めてつくる7種類のメニューの中から、好きなものをお選びいただけます(注文は前日まで)。また、皆さん甘いものがお好きなので、手作りのホットケーキなんかも人気です。でも、それは特長の2つ目ではないんです。まあ、とりあえず行きましょう」

 と、言われて向かった食堂は、1階正面玄関から入ってすぐの扉の向こう。改装型の同施設は、普通の老人ホームでよくあるように、玄関入ってすぐのところにエントランスやロビーなどはありません。その代わりといってはなんですが、食堂が思いがけないほど広くて明るく、開放的な空間となっていて、そこがロビーの役目も兼ねているようです。食堂というよりはラウンジですね。

 取材当日もここには人がたくさんいて、活気があって、老人ホームとは思えないほど賑わっていました。ちょうどお昼どきでしたからね。奥に見える厨房の窓口には赤いテント状のヒサシもあしらって、オシャレなカフェのような雰囲気もあります。

 しかし、それは特長というほどではないかな、なんて思っていたら、「じゃあ、外に出てみましょうか」と、藤澤さんが仰るので、言われた通り外へ出ると、ああ、なるほど、と。そこに広がっているのはただの庭園ではありません。あの、お花や庭が好きな人なら憧れの「薔薇(バラ)の庭園」、つまりバラ園。気取って英語でいえば、「ローズガーデン」なんですねえ。

 もっとも、取材時はたまたまオフシーズンだったので残念ながら花はちらほらとしか咲いておらず。それでも、花なんか全然詳しくない私でも、バラ特有のトゲのある茎や葉っぱなどから、シーズンになればさぞかし色とりどりのバラの花が咲き誇る、美しい庭園となるであろうことは容易に想像できます。シーズンがいつかは知らないけど。

 そのシーズン真っ盛りのバラ園の様子を読者の皆さんにも見せたくて、後日、藤澤さんにお願いして、写真を送っていただいたので、どうぞご覧ください。

 バラの庭園は、ラウンジの中からでも十分に楽しめますが、できれは外へ出て(出入りは自由なので)、その香りや感触なども堪能されてみることをお勧めします。花や緑に囲まれた白いテーブルやチェアに座って、紅茶など嗜まれるのもいいですねえ。

 そんな優雅な、夢のような時間が過ごせそうなバラのお庭が、「クロスハート石名坂・藤沢」の2つ目の特長です。


当施設の特長その2:バラの庭園
施設から送って頂いたバラのシーズン中の写真
自慢のバラ庭園を食堂ラウンジから望む

トイレがついてないので、広々ゆったり使える居室

 というわけで、「クロスハート石名坂・藤沢」の特長その1:「天然温泉」と、特長その2:「薔薇園」を見せていただいたので、お次は特長その3、なんですが、その前に、居室やその他の設備などの紹介もしなくては。

 居室は全室個室の全81室。ですが、定員は70名。ということは、11室余ることになりますね。どうするの? と、思った方は心配ご無用。ここは短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護を併設、つまりショートステイ併設型の施設でして、11室はショートステイ用、とのこと。

 これは、ショートステイ先を探しておられる方や、正式に入居する前にショートステイで体験入居したい、という方なんかには重要なポイントですよ。ショートステイが可能な施設は珍しくはありませんが、意外と、ショートステイ用の部屋を設けてまで積極的にシュートステイを受け入れている施設は少ないですから。

 なので、居室設備としては、冷暖房、クローゼット、下駄箱(館内が土足ですから)、緊急時ボタン、などでその他は基本的に持ち込み(前の入居者が使っていたものがあれば使用可の場合あり)になりますが、ショートステイ用の居室にはそれらに加えて介護ベッドやテレビ、タンスなども完備。もちろん天然温泉にも入れます。身体の状態などの問題がなければ。

 実際に居室を見せてもらうと、うん、清潔感があって快適に過ごせそう。広さはこれまで取材した中では中間ぐらいでしょうか。まあ、ちょうどいい広さで収納もたっぷり。ですが、資料をみると、居室面積は13㎡。

 ん?通常はだいたい18~20㎡ぐらいですよねえ。しかし、ここは13㎡。数字でみると狭いです。でも、13㎡しかないのに、なんでこんなに広いんでしょう? と、思ってよく見ると、そうか、トイレがない。まあ、もともとは寮だった建物ですから、こればっかりはしょうがない。

 ここで、「あー、居室にトイレがないのは、ちょっと……」と、いう方もいらっしゃることと存じますが、ちょっと待った! 落ち着いて、いま一度冷静になって、考えてみてください。居室にトイレは本当に必要ですか?
 
 足が不自由などで、トイレの度に居室の外へ出るのが大変だ、という方なら仕方ありませんが、そこまででなければ、むしろトイレは居室の外にあったほうが、トイレに行くのも運動になりますし、居室から出る時間も増えますし、そのぶん居室を広く使えますし、意外にメリットは多いですよ。

 それに、利用者の皆さんが使う共用トイレは、多人数の使用を前提にした使いやすさで、個室数もたっぷり(およそ4部屋に1つ)、もちろん改装してバリアフリーもOK、ですから、私もここへ来て、「べつに居室にトイレがなくても全然いいじゃん」と、思いましたけど、まあ、私の意見はどうでもいいので、皆さんにはとにかく一度、ご見学に来られて、実際にどんなもんかを確かめていただきたい。居室にトイレがついてない、というだけで候補から外すのはもったいない、と思いますよ。

トイレがついてないので、広々ゆったり使える居室
1階食堂ラウンジ。ロビーでもある皆さんの憩いの場
トイレがついてないので、広々ゆったり使える居室
居室。居室面積は13㎡しかないのにこの広さ。
トイレがついてないので、広々ゆったり使える居室
居室にトイレがない分、収納もたっぷり。

特長その3:施設の中で流通している施設内通貨「デイポイント」

 居室以外の共用設備としては、先ほど紹介したバラ園を望む食堂、天然温泉の大浴場と個室浴槽、多人数可の共用トイレ、洗面室、洗濯室、ミニキッチン、談話室、生活相談室、健康管理室、エレベーター、スプリンクラーなど。ざっと見て回ったのですが、なんというか、全体的に、センスがいい。

 以前、「クロスハート湘南台・藤沢」を取材させて頂いたときも思ったんですが、ところどころに置かれた家具や調度品、ちょっとした置物などの一つひとつがお洒落で、アーティステックで、もとは寮だったという建物をうまくコーディネートしています。恐らく、創業者と現理事長の女性ならでは感性が、隅々まで行き届いているんでしょうね。

 また、「ペンギンルーム」や「ローズルーム」、「カモメルーム」などと称する部屋もあり、「ペンギンルーム」ならペンギンの写真やシルエットをあしらうなど、遊び心もあって、いいっすねえ。

 もう1つ、館内を巡って目に留まったのは、やたらと「宣誓書」が掲げてあること。たとえば、「私たちは身体拘束をしません」、「個人の選択を最優先したケアを行います」、「私たち、夜勤チームは、ご利用者が安心して朝を迎えられるように巡回し、急変時も夜勤職員全員が対応できるようにする(中略)」といった宣誓、あるいは、「この施設は国際規格ISO9001(品質マネジメントシステム)の認証を取得いたしております」といった審査登録証も。これは、利用者に対してのアピールと同時に、職員たちの自戒を促す効果もあるんでしょう。いいことだと思います。

 さて、館内を一通り案内していただいたところで、改めて藤澤施設長に話を伺いましょう。「クロスハート石名坂・藤沢」と特長その1:天然温泉、特長その2:バラ庭園、に続く特長その3がまだですからね。

「うちの特長その3は、“デイポイント”という施設内通貨です」
 は?何ですか、それ? 「わかりやすくいえば、“お手伝いポイント”ですね。入居者様が、配膳や掃除といった職員の仕事のお手伝いをしていただけたら、その仕事に応じてポイントがもらえて、貯めたポイントは月1回の“デイポイント交換日”に、トイレットペーパーなどの日用品に交換できる、というシステムです」

 あ、それは面白い。入居者にとっては励みになりますね。
「はい。8年ほど前からはじめましたが、大変好評です。ポイントはこんなお札のようなもの(写真)で、ちゃんと給料袋に入れて渡しますから、喜ばれますね。中には、職員がお膳を下げていると、“それは私の仕事よ!”と言ってお膳を奪う人もいるぐらい(笑)。また、お手伝いはもとより、アクテビティに参加することでもポイントをもらえますから、遊び感覚で貯められるのがいいんじゃないでしょうか」

 うーん、たとえ遊び感覚でも、もらえるのは日用品など微々たるものでも、これは立派に「労働をして報酬を得る」行為でしょう、疑似ではなく。そこには色々と深い意味合いがあると考えます。

 というのは、「クロスハート湘南台・藤沢」の項で少し触れましたが、同グループでは「老人ホームに入居した高齢者でも仕事をして、報酬を得ることができる」仕組みづくりを勧めています。その原形がここにあった!という気がして、個人的に高齢者が働くことには大賛成の私は、このお手伝いポイントに感銘さえ受けましたね。

 ここはもっと掘り下げて、根掘り葉掘り聞きたい、と思いましたが、このへんでそろそろ字数も一杯いっぱいとなりましたので、この件につきましてはまた別の機会に取り上げることにして、最後に、藤澤施設長から締めのお言葉をいただきましょう。

「とにかくアットホームで、まるで自分の家庭にいるかのような感覚になれる施設なので、どなたでも気軽にお越しください。主役は利用者様です。私たちはそれを斜め後ろから見守り、影でしっかり支え、安心・安全に生活できるよう頑張るだけ。そう思って毎日を過ごしています」

 いかがでしょうか。まだ若いながらもしっかりした施設長がいて、「天然温泉」「バラ園」「お手伝いポイント」という3つの特長を持つ「クロスハート石名坂・藤沢」。ショートステイ併設で、食事の美味しさも折り紙付き。ぜひ一度、実際に足を運んで、お確かめください。

特長その3:施設の中で流通している施設内通貨「デイポイント」
共用トイレ。およそ4人で1つを使えてバリアフリーも完備。
特長その3:施設の中で流通している施設内通貨「デイポイント」
施設内で流通している通貨「デイポイント」。日用品と交換できる
特長その3:施設の中で流通している施設内通貨「デイポイント」
藤澤祐人施設長。優しそうな感じの人。

老人ホーム・介護施設探しは「老人ホーム相談プラザ」で
老人ホーム相談プラザは、有料老人ホームや介護施設を経験豊富な専門の相談員が店舗・訪問・電話・オンライン・一括資料請求等、無料で相談・紹介をしています。老人ホームのホームページやパンフレットに記載されていない評判や雰囲気、医療・介護体制の実態、特色など実際に訪問しないと分からない最新の情報を収集し、公正・中立な立場でプロの目線からお客様のご希望に合った老人ホーム・介護施設を選定・ご提案いたします。老人ホームの見学予約・見学同行・入居時の送迎支援、入居後のアフターフォローもおまかせください。
  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「クロスハート石名坂・藤沢」 (社会福祉法人 伸こう福祉会)《後編》
お気軽に相談員にお尋ねください