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2018年07月17日

特定施設入居者生活介護・サービス付き高齢者向け住宅 「せらび小金井」(株式会社日本ケアリンク)《後編》

思わず声が上がるほど広~い機能訓練室兼地域交流スペース

お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。特定施設入居者生活介護・サービス付き高齢者向け住宅「せらび小金井」の後編です。


 道路からみると横向きに建っている「せらび小金井」のゆったりした敷地に足を踏み入れ、建物中央のピロティから正面玄関を入れば、まずは敷地同様ゆったりしたエントランス。そこから左手に進むと、おもわず「おおっ」と声が出てしまうほど、ただっ広くて、明るくて、解放感満点のスペースが目に飛び込んできました。

 何にもない床一面を取り囲む、目にも鮮やかな新緑の青葉。全面ガラス張りで解放感に溢れ、採光と見通しも抜群の空間は、まるでどこかの高原リゾート施設のよう。右手一角には応接セットや豪華で巨大なリクライニングソファ、テーブルなどが並んでいて、ここで食事やお茶もできるようですが、いやはや、贅沢なスペースの使い方ですなあ。あんまり広すぎるので、狭いところが好きな人はかえって落ち着かないのではないか、そんな余計な心配をしてしまうほどの広さです。

 こんな広いスペースを有する施設は、少なくとも今まで取材した中では記憶にないですね。一体何に使っているのか聞いてみると、普段は機能訓練室として軽い運動などを行っている他、各種のサークル活動や、地域住民による簡単な展示会などもここで開催しているそうです。いわゆる“地域交流スペース”という役割も兼ねているんですね。衣料品の展示・販売会なんかをやると毎回かなりのご盛況だそうですよ。

 外に出れば、いや、出なくても中からよく見えますが、周囲の景観がまたいいっすねえ。一面芝生のちょっとしたグラウンドのような緑地の周りを木々が取り囲み、外庭だけど中庭のような趣き。かつての武蔵野の原風景がここにあります。ウッドデッキのテーブルとチェアはまさにオープンカフェ。座ればいつまでも飽きずに景色を眺めていられそうです。

 そのグラウンドのような緑地には、なにやら見上げるような高さの塔が建っています。バンジージャンプでもするのかな?と思ったら(そんなわけはないですね)、これは隣に住んでいる地主さんが建てた趣味のアマチュア無線のアンテナだそうです。へえ~。

 と、感心してばかりでもしょうがないので、先に進みましょう。1階にはこれも広めの厨房と浴室。入居者や家族から「つくっている人の顔が見える」と好評の食事については、後で試食させていただきましたので、そのときに触れます。

 床の素材や照明、温度調節機能等に至るまで徹底的にこだわって設計されたという浴室は、機械浴室と普通の浴室に分かれていて、ここでも空間に余裕を感じます。
 居室も全54室のうちの6室が1階に。上の階への移動が大変な重度の方にはありがたいですね。

談話コーナーからの眺め。3階南側からは富士山も展望。
廊下もゆったり。突き当りから外が見えるので解放感も。

晴れた日には富士山も望める2、3階の談話コーナー

 2階と3階は中央に居間・食堂やキッチン、機能訓練室も兼ねたスペースがあって、その左右に居室が並ぶという間取りは同じ。浴室も各階にあります。

 注目は、左右ともに廊下の突き当りにある談話コーナー。建物内に入る前に外からも見えた、あのガラス張りの部屋がこれだったんですね。ここからの眺めの良さときたら、そりゃあもう、1階で見た景色が少し上からになっただけなので言わなくてもわかるでしょうが、ええもんですよ。3階南側からは、晴れた日には富士山も見えるそうです。

 居室は1階の6室も含めて全54室すべて個室の1タイプ。収納の位置などに若干の違いはあるようですが、まあ、ほとんど同じと思っていいでしょう。設備はトイレ、洗面、収納、ベッド、空調、テーブル、イス、チェスト、カーテンなど。家具付きなのはいいですね。印象として、やはり最初はサ高住として設計されたからでしょうが、居住性というか、快適性重視のしっかりした造りのように感じます。

 ついでに、これは居室ではなく施設全体の設備ですが、非常用発電設備・ELV・自動火災報知設備・スプリンクラー・誘導灯等も備えていることを一応記しておきます。災害時にも強い施設ということで。

 お伺いしたときはちょうど食事の時間で、居間・食堂は2階も3階も結構な賑わいでした。皆さん結構おしゃべりしながら、まるで学生食堂のよう、とはちょっと言いすぎですが、普通にガヤガヤとにぎやかに食事をされてて。活気があっていいなあ、思いました。

 と、ふと壁をみると、第2水曜日と第4金曜日は、パン工房「MonaMona(モナ モナ)」より、焼きたてパンの出張販売、との張り紙が。皆さんこのパンの出張販売をとても楽しみにしているといいます。ちなみにモナモナとは、タヒチ語で「美味しい」という意味だそうですが、これはどうでもいい情報でしたね、失礼。

 居間・食堂には、入居者がレクリエーションで作った作品も飾られていました。まあ、これはここに限らず、どこの施設でも同じなんですが、わざわざ取り上げたのはちょっと理由があります。水墨画や書道、押し花などと並んで、「コピックアート」も展示されていますが、この「コピックアート」がここではとくに盛んなようで、小金井駅前にある宮地楽器ホールという結構大きな会場で毎年開催される「コピックアート展示会」にも同施設の入居者の作品が展示されるといいます。本格的なんですねえ。
 え?「コピックアート」をご存じない? それはいけませんね。知らないという人はぜひ、「せらび小金井」へ来て、作品を実際にご覧ください。もっとも、私も知らなくてここで初めて知りましたけど(笑)。とまれ、それだけレクリエーションが活発に行われているという一例で紹介してみました。


晴れた日には富士山も望める2、3階の談話コーナー
2階食堂。食事の時間は老人ホームとは思えないほど活気が。
晴れた日には富士山も望める2、3階の談話コーナー
掲示された入居者の作品。水墨画とコピックアート

「つくっている人の顔がみえる」と好評の食事

 また、レクリエーションというよりは機能訓練かもしれませんが、音楽療法士による音楽療法や、余裕たっぷりの敷地を活かしたドッグセラピーなども行われています。とにかく周囲の環境がいいので、皆さん元気で、レクリエーションにしても機能訓練にしても積極的に参加される方が多く、盛り上がっているなあ、という印象です。

 最後に、案内していただいた原田裕喜ホーム長からお話を伺いましたが、その前に、試食させていただいた食事について触れなくては。
 本日の昼食は、豚の角煮、イカと野菜の炒め物、もずく三杯酢、ご飯、味噌汁、イチゴ。おかず2品にデザートもついて、なかなか豪華。味付けもしっかりして美味しいです。食事にはうるさい方でもこれなら満足じゃないでしょうか。

 食事は業者に頼まず、スタッフによる自前なので、「つくっている人の顔が見える」と好評なのは先述しました。顔が見える、というのは、気さくに話ができる、壁がない、といった意味でもあります。だから食事の時間が他の老人ホームよりも賑やかなんでしょうね。

 また、自前でつくる食事は、入居者ひとり一人の状況に合わせたきめ細かな対応ができるなど、多くのメリットがあることは言わずもがな。もちろん刻み食やミキサー食も対応可。ソフト食など余計な手間がかかるものも相談に応じ、実費負担になる場合もありますが、できる限りの対応はしていきます。朝はパンかご飯を選べ、お昼はおやつも込み。食事を目当てにここを選ぶ方も多いようです。

 では、お待たせしました。原田施設長、ではなくてホーム長(と名刺にあります)のお話を。
「一番大切なのは、やはりコミュニケーションです。入居者様はもちろんこと、ご家族様とも信頼関係が築けていなければ良い介護はできません」。と語る原田ホーム長の名刺の裏には、ご自身の携帯電話番号が大きく書かれています。いつでも直接私に電話してください、ということでしょうね。
 これはたしかに、離れて暮らすご家族にとっては心強い、信頼の証です。名刺に携帯番号まで載せる施設長(もとい、ホーム長)は、今まで取材した中にもいたことはいましたが、こんなに大きな字でわかりやすく記載しているのは初めてです。これだけでも信頼に足る施設長、いや、ホーム長であることが伺えます。

 そうした信頼関係の構築のため、ご家族を交えた運営懇談会なども開催。家族も一緒に楽しむレクリエーションもどんどんやっていきたい、と原田ホーム長。他にも、要介護者2.5人に対し、介護・看護職員1人という手厚い人員体制や、多くの協力機関との連携についてなど、色々と大事な話を伺ったのですが、またしても、毎度のことですいませんが、文字数もそろそろ……ということで、締めのお言葉をいただきましょう。
「“よい人生を過ごしていただきたい”というのが私たちの最終目標です。そのためにできることはなんでもやる。ただそれだけです」。
 おお、最後にもう一度いただきました、「C’est la vie!」(セ・ラ・ヴィ、ではなく、ひらがなで『せらび』ですよ!)。「せらび小金井」で、素晴らしい人生を送りましょう!

「つくっている人の顔がみえる」と好評の食事
本日の昼食。つくりたてがうれしい。
「つくっている人の顔がみえる」と好評の食事
原田裕喜ホーム長。赤いシューズがトレードマーク。

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