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2024.05.21
相談員ブログ

敗血症について

【敗血症とは】
敗血症とは「感染症によって重篤な臓器障害が引き起こされている状態」と定義されています。
つまり、血液に病原体(ウイルスや細菌、カビなど)が侵入して全身に回り、身体の抵抗力が阻害されて重い症状に陥った病気のことであります。
高熱や炎症を伴い、処置しないと臓器(心臓や肺、腎臓など)に障害を及ぼし、生命にもかかわるので、早めの治療が必要です。
どんな感染症でも敗血症を起こす可能性があります。
特に免疫力が下がっている高齢者や、心臓病やがん、慢性疾患など基礎疾患がある人は防御反応が低下しているため、敗血症を起こすリスクが高くなっています。

【敗血症の原因】
敗血症の原因は感染ですが、病原体が血液の中で繁殖した時に起こります。
敗血症は大概において、肺の感染症(肺炎)や、尿路感染症が多く、その他に腸管感染症や血流感染などもあります。
男性の場合は肺炎など呼吸器系が原因となることが多く、女性の場合は尿路感染症などの泌尿器生殖器系が原因となることが多い傾向にあります。
主な病原体は、ブドウ球菌や大腸菌、連鎖球菌や緑膿菌などが挙げられ、ウイルスやカビなどの真菌、寄生虫なども発症因子となります。
また、白血球の一種である好中球が減る「好中球減少症」の状態だと、感染症にかかりやすく、敗血症を起こす可能性が高まります。

【敗血症の症状】
敗血症は障害が起きている臓器によってさまざまな症状が起きますが、敗血症と診断する指標として、
・体温が38℃以上、または36℃以下
・心拍数が1分間に90回以上
・呼吸数が1分間に20回以上
・末梢血白血球数が12000㎜3以上、または4000㎜3以下
などがあげられます。
また、嘔吐や下痢、全身の震えや悪寒、発汗なども見られます。
症状が進行すると、排尿困難や意識障害なども生じ、重症化すると腎不全や肝不全といった多臓器不全となります。多臓器不全となると生命の危険も生じてきます。

【敗血症の治療】
敗血症の治療は、血液培養検査して、病原体を究明し、有効な薬の投与を行います。
薬物治療として、細菌の場合は抗菌薬、ウイルスの場合は抗ウイルス薬、真菌の場合は抗真菌薬、寄生虫の場合は抗寄生虫薬を投与します。
場合によっては、血圧と血液中の酸素濃度を維持するために、酸素投与と輸液による治療を受けることもあります。
必要であれば人工呼吸器管理や人工透析などの全身管理を行います。
重症化している状態では、感染症によって障害された組織を外科的に切除することもあります。

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