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2024.05.23
ニュース

アルコール性認知症について

【アルコール性認知症とは】
アルコール性認知症とは、アルコールの大量摂取が原因で発症する認知症のことです。
アルコールを多量に飲み続けると、脳の萎縮や脳血管障害が起こり、認知症を発症させる可能性を高めます。
アルコールを分解するためには、体内のビタミンB1を大量に消費するのですが、そのため、脳は栄養欠乏状態になってしまい、認知機能を低下させることにつながります。
若年の人であっても、アルコール依存傾向の強い人は認知機能の低下が認められますが、高齢になると記憶障害など認知症の症状が発症する率が高くなります。

【アルコール性認知症の原因】
高齢のアルコール依存者数は年々増加していますが、退職による人間関係の減少、家族や知人との死別など、持て余した時間と社会的孤立がその要因として考えられています。
肉体的にも、加齢により胃の粘膜が萎縮するために、アルコール代謝が低下します。
更に体内に留めている水分量が減少するため、若い時と同じ酒量であっても血中アルコール濃度が高まってしまいます。

【ウェルニッケ・コルサコフ症候群とは】
アルコール性認知症の原因の中でも最も多いものが、ウェルニッケ脳症とその後遺症のコルサコフ症候群です。その2つを合わせてウェルニッケ・コルサコフ症候群と呼びます。
ウェルニッケ脳症はビタミンB1(チアミン)の欠乏によって起こる脳の病気です。
脳の奥にある脳幹部に出血が起こり、眼球運動障害や運動失調、平衡感覚の喪失、錯乱などの症状が急激に出現します。
発症から直ぐに適切な治療を行えば回復が見込まれますが、放置していると8割の確率でコルサコフ症候群になってしまうという報告があります。
コルサコフ症候群では、記銘力障害(最近の出来事を記憶できない)や見当識障害、作話などの症状が現れます。そして、一度発症すると回復は困難と考えられています。

【アルコール性認知症の症状】
アルコール性認知症の症状には、ウェルニッケ・コルサコフ症候群にも含まれる以下のような症状が現れてきます。
・記憶障害
同じことを何度も聞き返したり、過去の出来事が思い出せなくなったりします。
また、新しい物事を覚えることが困難になります。

・作話
記憶が欠落した部分を埋めるために、覚えていることを辻褄を合わせて話をしてしまいます。本人は嘘をついている意識はありません。

・意識障害
意識が混濁したり、錯乱や昏睡状態になったりします。

・精神障害
幻覚が見えたり、うつ症状や意欲の低下、攻撃的になったり、自制心が保てなくなったりします。

・運動失調
手が震えたり、バランスが取れず歩行困難になったりします。

・見当識障害
日付や時刻がわからなくなったり、自分がどこにいるのか理解できなくなったりします。
家族のことを認識できなくなることもあります。

・眼球運動障害
眼球がけいれんするような動きを起こしたり、眼の周りの筋肉の麻痺やこわばり、両目を同時に動かせないなどの症状が現れます。


【アルコール性認知症の治療法】
アルコール性認知症の治療法としては以下のような方法があります。
・断酒
アルコールを断つことが有効です。
自分で断酒することが困難な場合は、治療施設への入院も検討します。

・薬物療法
アルコールを欲求する気持ちを抑制する薬や、アルコールを受け付けなくなる薬などが処方されます。

・食事療法
アルコールの多量摂取により、脳にビタミンなど栄養素が不足しているので、栄養バランスの良い食事を摂取する必要があります。
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