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2026.03.26
相談員ブログ

ペットも認知症になる?高齢化する犬や猫に起こるサイン

【ペットも「長生きする時代」に】
最近では、犬や猫の寿命が飛躍的に延びています。栄養バランスの優れたフードの普及、獣医療の高度化、そして「室内飼育」が一般的になったことで、かつては少なかった高齢期を迎えるペットも珍しくなくなりました。
しかし、長寿は喜ばしい一方で、人と同じように「老いに伴う課題」も浮き彫りになっています。その代表格が、脳の働きが変化する「認知機能不全」、いわゆる動物の認知症です。

【犬は「徘徊」、猫は「夜鳴き」?動物の認知症とは】
犬の場合、医学的には「認知機能不全症候群(CDS)」と呼ばれます。人のアルツハイマー型認知症と似た、アミロイドβという物質が脳に蓄積することも分かっています。
実は、犬と猫では少し症状の出方が違うことがあります。
犬: 目的もなく歩き回る、家具の隙間に入って戻れなくなるといった行動変化が目立ちます。
猫: 突然の大きな声での「夜鳴き」や、過剰な毛づくろい(あるいは全くしなくなる)といった変化がよく見られます。
これらは単なる「老化による行動変化」ではなく、脳の神経細胞の変化による「病気の一面」であるという視点を持つことが大切です。

【「年だから」で見逃されがちな5つのサイン】
「年をとれば、ぼーっとすることもあるよね」と見過ごされがちですが、以下の変化は脳からのサインかもしれません。
・昼夜の逆転: 昼間はずっと寝ていて、夜中に活動的になる。
・歩き方の変化: 同じ場所をぐるぐる回る(旋回)、壁に突き当たっても止まれない。
・コミュニケーションの低下: 家族が帰宅しても喜ばない、名前を呼んでも反応しない。
・不適切な場所での排泄: トイレの場所を忘れてしまったり、失敗が増えたりする。
・理由のない鳴き声: 寂しさや空腹とは関係なく、単調な声で鳴き続ける。

【人の認知症との共通点と、動物ならではの難しさ】
動物の認知症は、画像診断(MRIなど)だけで確定させるのが難しく、飼い主さんが語る「日常のちょっとした違和感」が何よりの診断材料になります。
言葉で症状を訴えられない分、「観察が大切な診察」となるのが、動物ならではの難しさであり、飼い主さんの愛情の見せ所でもあります。また、人の介護と同様に「夜鳴き」や「不潔行為(排泄)」が介護者の心身を疲弊させてしまうという共通の課題も抱えています。

【穏やかな時間を守るために、今できること】
現在の獣医療では、残念ながら認知症を完全に治す魔法の薬はありません。しかし、「進行をゆっくりにする」ことは可能です。
・五感を刺激する: 嗅覚(クンクン遊び)や触覚(ブラッシング)で脳に刺激を送る。
・サプリメントや食事療法: DHA・EPAや抗酸化物質を取り入れる。
・環境の工夫: 家具の角をガードしたり、狭い隙間を塞いだりして「怪我をしない環境」を作る。
大切なのは「昔のように戻す」ことではなく、「今、この子が不安を感じずに過ごせるには?」と考える視点です。

【ケアの視点は、人も動物も同じ】
ペットの高齢化問題は、私たち自身の「老い」や「介護」を考える鏡でもあります。言葉に頼らず、相手のしぐさや表情から心の動きを読み取る力は、実は人の介護現場でも最も大切にされているスキルのひとつです。
愛するペットがシニア期に入ったら、それは新しいコミュニケーションの始まりかもしれません。日々の変化をポジティブに見守り、最期までその子らしい生活を支えてあげたいですね。
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