2026.06.10
相談員ブログ
梅雨なのに熱中症? 高齢者も注意したい「梅雨熱中症」
【梅雨でも熱中症になるの?】熱中症というと真夏のイメージがありますが、実際には5月や6月から救急搬送される人が急増し始めます。
近年は梅雨の時期でも30℃を超える日があり、さらに湿度が高いため、体への負担は想像以上に大きくなります。
「まだ本格的な夏ではないから大丈夫」という油断が、熱中症を招く一番の原因です。
【梅雨熱中症とは】
「梅雨熱中症」は医学的な正式名称ではありませんが、この時期特有の気候によって起こる熱中症を指す言葉です。
大きな原因は「湿度の高さ」にあります。人間の体は、かいた汗が蒸発するときの「気化熱」を利用して体温を下げています。しかし、梅雨時のように湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、熱が体にこもってしまうのです。
また、体がまだ暑さに慣れていない(暑熱順化ができていない)時期であることも、リスクを高める要因です。
【気温だけでは判断できない】
熱中症の危険性は気温だけでは決まりません。
環境省などが発表している「暑さ指数(WBGT)」は、気温だけでなく、湿度や日差し、照り返しも考慮した指標です。この指標の構成要素の約7割を「湿度」が占めていることからもわかる通り、気温がそれほど高くなくても、湿度が高い日は熱中症のリスクが跳ね上がります。
【室内でも起こる】
熱中症は屋外だけでなく、室内でも多く発生しており、特に高齢者に多いのが特徴です。
梅雨時期は窓を閉めがちで、室内干しなどにより室内の湿度が急上昇します。
・窓を閉め切っている
・部屋の中で洗濯物を干している
・「まだ電気代がもったいない」とエアコンを使っていない
こうした条件が重なると、室内はあっという間に危険地帯になります。
【高齢者が特に注意すべき理由】
高齢者は、加齢に伴い暑さや喉の渇きを感じるセンサーが鈍くなっています。さらに、体内の水分蓄え量そのものが減少しているため、気づかないうちに熱中症(かくれ脱水)になることがあります。
部屋の温度計を見ると30℃近くあったというケースは少なくありません。本人の感覚だけに頼らず、室温計・湿度計を目で見て確認することが大切です。
【夜間の見落としにも注意】
梅雨時期は夜間も湿度が高く、寝苦しい夜が続きます。
特に高齢者は「夜中にトイレに起きたくないから」と夕方からの水分補給を控えがちなため、寝ている間に脱水が進みやすいのです。
朝起きたときに「身体がだるい」「めまいがする」「足がつる(こむら返り)」といった症状がある場合は、夜間に熱中症を起こしていた可能性があります。
【予防のポイント】
・喉が渇く前に、時間を決めてこまめに水分を摂る(目安は1時間ごとにコップ半分)
・室温だけでなく「湿度」も管理する(理想は室温28℃以下、湿度60%以下)
・冷房や除湿(ドライ)をためらわずに使う(冷えすぎが苦手な場合は、設定温度を高めにして除湿する)
ご家族や周囲の方は、本人が「大丈夫」と言っても、実際の水分摂取量やエアコンの使用状況をこまめに確認してください。
【まとめ】
熱中症の危険は、真夏が来る前の「梅雨」からすでに始まっています。
高温多湿な梅雨は、私たちが思っている以上に体力を奪う環境です。特に室内で過ごす時間の長い高齢者はリスクが高いため、「まだ時期が早い」と過信せず、今すぐエアコンの試運転を済ませ、早めの対策を心がけましょう。