2015.07.06
介護ニュース
「病床1割削減可能」政府、2025年目標を発表

先月15日に政府が発表した、2025年に必要となる全国の医療機関の病床数の推計(内閣官房の有識者調査会のまとめ)によると、現在の入院中心の医療体制から在宅医療への転換を図ることで、必要な病床数の16~20万床程度の削減が可能であるとしています。これは、現在の病床数が約135万床ですから、およそ1割の削減となります。一方、新たに30万人以上の患者を在宅医療で対応する、としています。
この推計値は事実上の「削減目標」で、強制力はありませんが、政府は医療機関に支払う診療報酬の改定や補助金などの調整で、病床の役割転換、すなわち入院を減らし、自宅や介護施設、高齢者住宅での在宅医療を受ける患者を増やしていきます。その数は30万から34万人ほどになる見通しだといいます。
この推計値をもとにして、各都道府県は10年後に向けた地域ごとの病床数の見直しを図ります。地域ごとに細かく必要病床数を推計し、医療機関などと具体的な病床分配を協議したり、高齢者の長期入院を受け入れてきた医療機関の介護施設などへの転換も検討します。したがって今後、高齢人口の激増する首都圏や大阪などを除く41道府県で必要病床数が減ることになりそうです。
先月は民間の有識者会議「日本創成会議」が、将来介護施設が足りなくなる都市部から、比較的余裕がある地方への移住を選択肢として提案し、物議をかもしましたが、この発表により病床数の削減が実現すれば、地方の介護施設も今後不足する可能性があります。都市部も地方も病床数が足りない、なんてことになったら、皆さんはどうします? 医療費の削減のためには、不必要な入院を減らすことは大切なのはわかりますが、本当に入院が必要なときに、入院できない、なんてことになると、心配ですよね。どうやら、最後まで入院せずに済むような介護体制と、その覚悟が求められる時代となりそうです。