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2024.07.08
相談員ブログ

8050問題・9060問題

【8050問題・9060問題とは】
80代の親が50代のひきこもり状態にある子供の世話をしていることを「8050問題」と呼んでいます。
1980年代~90年代ではひきこもりは若者の問題とされてきましたが、2010年頃からひきこもりの長期化や、社会的な要因で中高年層のひきこもりが注目されるようになってきました。
ひきこもりとは6か月以上家にこもって、家族以外の人と接しない状態を指します。
内閣府が2018年に行った調査では、15~39歳までの引きこもりは54万人で、40~64歳までの中高年の引きこもりは61.3万人いると推計しています。
収入や介護の問題が発生するうえに、親子で社会から孤立した状態になっていき、このままでは90代の親が60代の子供の世話をする「9060問題」になると言われています。

【ひきこもり中高年の原因】
ひきこもる中高年には様々な要因がありますが、以下のようなことがその背景にあると考えられています。

・失職
職場の人間関係やハラスメントなどにより失職したり、リストラや倒産などで心を病んでひきこもってしまう人たちがいます。

・病気や怪我
病気や怪我がきっかけで、そのまま社会復帰する意欲を失い、ひきこもってしまうことがあります。

・就職難
就職氷河期世代の人たちの中には、就職に失敗して就労への意欲を失い、ひきこもりになってしまったというケースもあります。
また、失職後に再就職が上手くいかなかったことなどで精神的ダメージを受けてしまい、ひきこもってしまうケースもあります。

・ニート
元から就労経験もなく社会へ出ないままニートになって、ゲームやチャットなどに時間を費やす毎日を送る人たちもいます。

【ひきこもりの長期化と社会的背景】
2019年の内閣府の40~64歳のひきこもりの期間の調査では、以下のようなデータがあります。
①7年以下:53%
②7年以上~10年未満:11%
③10年以上~20年未満:17%
④20年以上~30年未満:13%
⑤30年以上:6%
1980年代は、いじめなどがきっかけで不登校になり、ひきこもりが増加し始めました。
1990年代では、バブルが崩壊し、不況による倒産・リストラ・就職難がきっかけで、就労意欲を失うことがひきこりの要因となってしまいました。
この時代の親世代は、不登校や不就労は恥とされていたため、ひきこもりは家庭の問題とされ、積極的な支援や介入はされてきませんでした。
このような背景からひきこもりは長期化してしまったと考えられています。

【8050問題を9060問題にしないために】
ひきこもりの解決支援を行う団体や機関が存在します。以下のような機関を利用して、状況を打開するきっかけにしましょう。.

・ひきこもり支援センター
全ての都道府県・指定都市にあり、行政が運営するひきこもりに特化した相談窓口です。
社会福祉士・精神保健福祉士などの資格を有するコーディネーターが相談支援を行います。
当事者の居場所づくりや社会活動の再開に向けた情報発信も行い、地域におけるひきこもり支援の拠点となっています。

・精神福祉センター
各都道府県に設置されていて、社会復帰の促進、自立と社会活動への参加促進を行います。
精神保健福祉センターの中にひきこもり支援センターが設置されている場合もあります。
精神福祉士、臨床心理士、公認心理士、保健師など専門知識を有する職種が相談支援に携わっています。

・生活困窮者支援窓口
全国の自治体に設置されていて、幅広く相談に対応しています。
生活困窮者だけではなく、引きこもっている本人や家族の支援も行っています。
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