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2024.07.09
相談員ブログ

差額ベッド代について

【差額ベッド代とは】
「差額ベッド」は‘患者の療養環境の向上に対するニーズに対応するため’に厚生労働省が定めた制度です。
差額ベッド代が必要とされる病室のことを「特別療養環境室(特別室)」と呼びます。
本来、入院時には大部屋に入院します。
しかし、特別療養環境室に入院した場合は、その室料が入院費に追加されるため、自己負担なしの大部屋の入院費用との間に差額が生じます。
このことから差額ベッド代と呼ばれています。
特別療養室は個室だけではなく、2人~4人部屋の場合も差額ベッド代が必要となることがあります。
差額ベッド代は病院によって呼び方が異なることもありますが、差額室料という病院もあります。
差額ベッド代が発生する特別療養環境室には、以下の4つの条件があります。
①一病室の病床数は4床以下であること
②病室の面積は一人あたり6.4㎡以上であること
③病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備(仕切りカーテンなど)を備えていること
④特別の療養環境として適切な設備(個人用の私物収納設備・照明・小机・椅子など)を有すること

【差額ベッド代を支払わなくても良いケース】
差額ベッド代がかからない、すなわち特別療養環境室の費用を病院が請求してはならないケースは以下の通りとなります。

①同意書による同意の確認を行っていない場合
病院から部屋の内容や室料についての説明がなく、促されるままに患者や家族が同意書に署名をした場合は、同意書が無効になることがあります。
また、病院の提示した同意書に不備があった場合(室料などの記載が無い、患者の署名欄が無いなど)も無効となる可能性があります。

②患者本人の治療上の必要により特別療養環境室へ入院させる場合
病院が治療するうえで必要な処置と判断し、特別療養環境室へ入院した場合も、差額ベッド代がかかりません。
具体的には下記のようなケースがあります。
・緊急患者や術後患者などで、症状が重く安静が必要とされる場合や、適時適切な看護や介護が必要な場合
・免疫力が低下し、感染症にかかるリスクが高い患者
・集中治療や身体的・精神的苦痛の緩和が必要な終末期の患者
・後天性免疫不全症候群(エイズ)に感染している患者
・クロイツフェルト・ヤコブ病の患者

③病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合
特定の感染症にかかった患者を院内感染防止の観点から、特別療養環境室に入院させることがありますが、この場合には差額ベッド代はかかりません。
また、大部屋に空きがなく、やむを得ずに特別療養環境室に入院した場合も、病院都合のため差額ベッド代はかかりません。

【差額ベッドの相場】
差額ベッド代は公的医療保険の対象外のため、通常の診療や投薬なら1~3割の自己負担で済むところが、全額を自己負担しなくてはなりません。
さらに、公的医療保険対象であれば、高額療養費制度が適用となる医療費の限度額がありますが、差額ベッド代は適用外となり全額自己負担となってしまいます。
差額ベッド代は各病院が自由に料金を設定できるため、病院の部屋の広さ・設備・向きなどによっても費用は異なります。
厚生労働省が公表している令和3年の「主な選定療養に関わる報告状況」によると、1日あたりの差額ベッド代の相場の平均は以下の通りです。
1人室:8,315円
2人室:3,151円
3人室:2,938円
4人室:2,639円
特別療養環境室を利用する際に、長期入院になりそうな時はかなりの額になりかねないので、経済状況を加味しながら検討しましょう。
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