1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」 (株式会社シダー)《後編》
2018年06月26日

介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」 (株式会社シダー)《後編》

赤い2本の柱が目印の地上5階建。居室戸数32室。

お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」の後編です。


 JR平井駅から下町風情を感じながら辿り着いた「ラ・ナシカ こまつがわ」の外観は、こう言っては申し訳ないけど、狭い土地を目一杯使って建てた建物、という印象。玄関横の壁面に非常階段が張り出しているので余計そう感じるのですが、これは土地が高い都市型の宿命でしょう。聞けばここもやはりもと工場があった場所だそうです。

 でも、5階建ながらこじんまり感もある建物にあって、非常階段を支えて地上から屋上まで伸びている2本の柱、これだけが赤くてよく目立ちます。その存在を強烈に主張している、と言ってもいいでしょう。初めての人にはこの赤い双柱がいい目印になって、わかりやすいのではないかと思われます。多分、それも計算に入れたデザインなのでしょう。

 では、建物の中へ。玄関は一つですが、中でデイサービスとは入り口が分かれていて、老人ホームとしての1階はほぼ受付のみ。木製のベンチに夏を感じさせる装飾が施されていました。

エレベータ前の壁には賞状も飾られています。これは「ラ・ナシカ」グループ全体で行われるイベントやコンテストに出場して表彰されたときのものだそうです。

 言い忘れましたが、「ラ・ナシカ」の名を冠した施設は老人ホームだけでも30数施設。グループホームやデイサービスを含めた総数は、もうそれぐらいになると正確な数を調べるのはあきらめますが(笑)、相当な数に上ります。

 当レポートの前編で、「ラ・ナシカ」グループの運営会社である株式会社シダーの母体は、「巨樹の会」という病院グループだと述べましたが、「ラ・ナシカ」だけでも結構な規模を誇る一大グループなんですよねえ。

そのグループの中で、各施設同士の交流の一環として数々のイベントやコンテストが開催されていて、入賞者にはこうして表彰状も贈られるということですから、それはさぞ励みになることでしょう。できたら一度そうしたイベントやコンテストも取材させていただきたいものですが、いかがでしょうか、平林さん?

カラオケルーム。もちろんカラオケマシンも防音も本格的
シアタールーム。映画以外にも、孫の運動会など、家族の思い出の映像も鑑賞可。

本格的なカラオケルームやシアタールームも完備

おっと、話が脱線したので戻しまして、3階へ上がります。1階はデイサービス、2階はグループホームなので。エレベータが3階に到着して、扉が開くと、そこは外観からは思いがけないほど広いスペースが。さらに、ちょっとビックリするぐらいの人数がその場でなにやら手すりを使って運動をしています。

 ちょうど機能訓練の時間だったようですね。指導しているのは、職員は職員ですが、ちゃんとトレーナーの資格を持っている方とのこと。社内というかグループ内にそうした資格制度があるんですね。さすが、リハビリからはじまり、リハビリを重視した介護サービスを提供し、理想のリハビリ環境の実現に尽くしてきた会社です。

 ついでにいうと、同施設では車椅子や歩行器といった福祉用具を、なんと無料でレンタル可。それもリハビリに強い「ラ・ナシカ」の特長の1つといえます。

 そうしたリハビリ体制の整備や充実ぶりについて、もっと突っ込んだ取材をしなきゃ、とは思いますが、そうすると「ラ・ナシカ こまつがわ」1施設にとどまらず、グループ全体の話になってしまうので、それはまた別の機会に譲るとして、先を急ぎましょう。

 ただ、運動されていた入居者の方々の表情がとても明るくて、ここだけ見ればとても老人ホームとは思えないほど活気があったことは強く印象に残りました。

 居室は全室個室で約10畳(18㎡)の1タイプ。全32室が3~5階に分かれているので、1フロアの居室が少ない分、職員の目が届きやすくなっています。かといって、皆さんが機能訓練を行っていた3階と同じ間取りの広い食堂のおかげでしょうか、狭いとは感じません。都会の建物の限られたスペースをうまく使っている印象ですね。

 居室内の設備はエアコン、トイレ、クローゼット、ナースコール、電動ベッド、レースカーテン、洗面台、照明器具を完備。見せていただいた部屋には家具もありましたが、これは備え付けではなく、たまたま前の入居者が置いていったもの。新たに入居する人は、よければそのまま使ってもいいし、もちろん撤去して自分の好きな家具を入れてもよし。そのへんはご随意に、とのことです。もし使いたければ、早い者勝ちですよ。

 入浴は介護保険法上の規定を上回る週3回。大浴場には車椅子でも入浴できるようリフトも用意しています。

 感心したのは、本格的なカラオケルームと、シアタールーム。平林さんは、「狭いんですけどね」と謙遜しますが、いやいや、立派なものですよ。色んな使い方ができそうで、これは入居者にとってはうれしいと思います。

本格的なカラオケルームやシアタールームも完備
大浴場。車椅子でも入れるリフトも完備。
本格的なカラオケルームやシアタールームも完備
最上階ベランダからの眺め。小松川高校の校舎やグラウンドが見える。

「サービスはどこにも負けません」と平林施設長

 屋上、というか、最上階のベランダ(バルコニー?)も見せてもらいました。眺めは隣にある公園の緑を見降ろせるせいか、悪くはないですよ。スカイツリーも見えますし。江戸川花火大会の日は、皆さんここに並んで花火鑑賞と洒落込むそうです。いいですねえ。

 すぐ近くに小松川高校の校舎やグラウンドも見えます。この小松川高校をはじめ、近隣の学校や幼稚園保育園等からの慰問・訪問など、地域交流が盛んなことも下町に位置する当施設の特色の1つ。老人ホームに入居しながら下町情緒を感じられる、というのもまさにそこで、夏祭りや卓球、カラオケなどなど、多種多様のレクレーションの中には地域の方々と一緒に行うものも多々あります。下町暮らしが好きな方にはおすすめですよ。

 今回はありがたいことに、食事も試食させていただきました。本日の昼食は「アジの南蛮漬け」。さっぱり食べやすくも味付けはしっかり、副菜のカボチャの煮物もよく味が染みていて、美味しくいただきました。食器も食堂っぽいものではなく、普通に家庭風のものを使っていてこだわりを感じます。

 もちろん入居者の身体の状態に合わせて刻み食、ペースト食、減塩食も対応可。ですが、「ソフト食」まではやっていないとのこと。刻み食やペースト食は見た目が悪いので、もう一度食べ物のかたちに成形したものをソフト食といいますが、そこまではやっていないのは、手間がかかるから、という理由もあるでしょうが、それよりは、リハビリを頑張って、なるべく普通の食事を摂りましょう、という、リハビリを掲げた老人ホームならではの理由からのようです。

 と、今回はソフト食の有無とか、いつもよりやけに食事について詳しい取材をするなあ、と思われた方もいらっしゃることでしょう。じつは今回の取材にはお探し介護相談員も同行したのですが、彼女の前職は福祉施設の調理師で、老人ホームの食事に関して造詣が深く、関心も高いんです。その彼女が突っ込んだ質問をしてくれたので、こうした情報も仕入れることができた次第。私1人だったらさらっと流していたところでした(笑)。

 最後に、平林施設長にじっくりお話を伺ったのですが、そして色々と興味深いお話をしてくれたのですが、またしても文字数がそろそろ……。というわけで、申し訳ありませんが、平林施設長のお話は一言でまとめさせていただきますと、とにかく「楽しい施設」にしたい、とのこと。元気に過ごす時間をいつまでも。入居者がやりたいことを、思う通りにやらせてあげたい。そのためのリハビリであり、その成果は開設以来十年余、いまだに「寝たきりゼロ」という事実に表れています。

 そんな「ラ・ナシカ こまつがわ」を誰よりも誇りに思っているのは、他ならぬ平林施設長自身のようで、「サービスはどこにも負けません」と、胸を張る平林施設長。そのスタッフに対する信頼度には、並々ならぬものがある、と、外見は穏やかで優しそうなのに、話すと意外に力強い言葉が出てくる平林施設長とお話して、そう感じました。(了)

「サービスはどこにも負けません」と平林施設長
江戸川花火大会の日はここに椅子を並べて花火鑑賞を。
「サービスはどこにも負けません」と平林施設長
取材日の昼食。アジの南蛮漬け、カボチャの煮物など。

老人ホーム・介護施設探しは「老人ホーム相談プラザ」で
老人ホーム相談プラザは、有料老人ホームや介護施設を経験豊富な専門の相談員が店舗・訪問・電話・オンライン・一括資料請求等、無料で相談・紹介をしています。老人ホームのホームページやパンフレットに記載されていない評判や雰囲気、医療・介護体制の実態、特色など実際に訪問しないと分からない最新の情報を収集し、公正・中立な立場でプロの目線からお客様のご希望に合った老人ホーム・介護施設を選定・ご提案いたします。老人ホームの見学予約・見学同行・入居時の送迎支援、入居後のアフターフォローもおまかせください。
  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」 (株式会社シダー)《後編》
お気軽に相談員にお尋ねください