1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」(株式会社シダー)《前編》
2018年06月20日

介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」(株式会社シダー)《前編》

理想的なリハビリテーション環境の実現のために

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。今回は介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」を訪ねました。


 「ラ・ナシカ こまつがわ」を運営しているのは、株式会社シダーといい、その母体はリハビリテーションを専門に行っている病院です。関東近郊だけでも10以上のリハビリ専門の病院を展開している「巨樹の会」というグループで、創始者自身も長年にわたってリハビリに携わってきた方だそうです。

「一生懸命リハビリに努力されて自宅に帰られたにもかかわらず、帰ったあとのサービスが無く、身体が弱って再度入院される方々…。そんな問題をなんとか解決したいという強い思いが、のちに当社を設立し、リハビリテーションを重視した介護サービス事業を始めることにつながったのです」とは、パンフレットより。

 つまり、そもそもの創業の目的がリハビリであり、理想のリハビリ環境を実現するために設立され、リハビリ一筋に歩んできた会社が運営する介護付有料老人ホーム、それが「ラ・ナシカ こまつがわ」なのです。

 ところで、リハビリテーションとは、動かせなくなった手や足を「治してくれる」ことだと思っていらっしゃる方が多いですよね? もちろんそういう側面もありますが、広義には「あらゆる社会資源をもちいて、社会復帰を支える」ということ。その中でもとくに重要なのが、「元気な身体を維持することを習慣化」すること。そのための場所を提供するのがリハビリテーション施設であり、それを適切に指導していくのがリハビリテーションの専門家なのです。と、まあ、これもパンフレットからの受け売りですけど。

「障碍者や高齢者が自分の過ごしたい場所で、永く健康に過ごせるためのお手伝いをすることが私たちの願いであり、当社の理念です」
そうした企業理念というか、経営方針のもと、「ラ・ナシカ こまつがわ」は運営されています。

「ラ・ナシカ こまつがわ」の外観。赤くてよく目立つ双柱が目印。
玄関は「あおぞらの里」と共通で、中で入り口が分かれる。

認知症対応型のグループホームとデイサービスを併設

 おそらくそうした理念や方針に則ってだと推測しますが、「ラ・ナシカ こまつがわ」には、「あおぞらの里 小松川デイサービスセンター」も併設されています。

 老人ホームだけではなく、在宅でもリハビリを行うためにデイサービスを、ということでしょうが、ここは「認知症対応型通所」として、認知症の対策にも力を入れています。認知症もリハビリの対象である、というわけですね。

 さらに、同じく「あおぞらの里」という名称のグループホームも同施設内にあって、こちらも「認知症対応型共同生活介護」として、やはり認知症の方々を受け入れています。グループホームでもデイサービスでも老人ホームでも、「あらゆる社会資源をもちいて」、心身の疾患や障害、機能低下、そして認知症などからの「社会復帰を支える」場所がここにはあります。

 ただし、グループホームは地域密着型ですから、グループホーム「あおぞらの里」には江戸川区の住人しか入ることができません。デイサービスも基本的には老人ホームの入居者は利用できませんから、「あおぞらの里」の話はここでは置いておきます。この取材レポートはあくまで介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」について、ですから、そこんとこヨロシクどうぞ。

 ちなみに、「ラ・ナシカ」とは、誕生・始まり、誠実な・心からの、仲間・同僚という意味の頭文字をとってつくった造語だそうです、建前では。というのは、取材に対応してくれた平林謙一施設長がこっそり教えてくれたところによると、どうやらそれは後づけで、もともとは、なぜか、なんでか、どうしてか、などといった意味合いの北九州の方言に由来する、らしいです。ラ・はフランス語っぽい飾りで(笑)。北九州市は株式会社シダーの創業の地で、今も本社はそこにありますからね。

 その命名の意図は、たしか、“常に疑問を持ちましょう”といったような意味を込めて、だったように記憶しています、と、自信なさげな平林さんですが、そう聞けば、方言そのままのふざけたような名前も、なんだか哲学的で深遠なネーミングのように思えてきませんか?

認知症対応型のグループホームとデイサービスを併設
3階機能訓練室でのトレーニングの様子
認知症対応型のグループホームとデイサービスを併設
3階機能訓練室は人がいないときはこんなかんじ。

JR「平井」駅より徒歩約15分。都営バス「小松川三丁目」バス亭より徒歩約3分

 もう一つちなみに、平成24年、損保ジャパン日本興亜(当時は損保ジャパン)が株式会社シダーの筆頭株主になりました。

「経営を安定させることにより、利用者様・入居者様やこれから利用・入居される方に将来の安心感を提供いたします」とのことですが、まあ、これについてはとくに言うべきことはありませんが、それにしても、損保ジャパン日本興亜って、すごいですねえ。他にも多くの施設を買い漁って、というと言葉が悪いですね、傘下に収めて。全部で一体どんだけの施設を抱えているんでしょうか。

 いつも長くなってしまう前置きはこれぐらいにして、「ラ・ナシカ こまつがわ」へ参りましょう。最寄りのJR「平井」駅から徒歩15分、とパンフレットにはありますが、ネットでは10分という情報も。どっちが正しいかはともかく、取材当日も歩いて行きましたが、駅からの道のりがほぼ真っすぐなせいか、さほど遠くは感じませんでした。

 だけど一本道ではないので、どこの角を曲がるかで迷うかもしれないし、15分歩くのはきつい、という人もいるでしょうから、やはりバスがおすすめ。都営バス「小松川三丁目」バス停より徒歩約3分。JR「錦糸町」駅、JR「亀戸」駅、JR「両国」駅、東京メトロ「葛西」駅、都営新宿線「船堀」駅から直通バスがあるようです。

 余談ですが、JR「平井」駅って、総武本線の「亀戸」駅と「新小岩」駅の間にあるんですが、なぜかマイナーなんすよねえ。東京在住者でもほとんどが、知らない、もしくは、知ってても降りたことがない、と言います。降りてみれば結構賑わっているし、ちゃんと商店街や飲食街もあるんですけどねえ。

 そんなマイナーな平井駅に近いせいかどうかはわかりませんが、「ラ・ナシカ こまつがわ」の周辺は、昔はいわゆる町工場が建ち並んでいたような、良くも悪くも“ザ・下町“。自然豊かとは言えないし、景観といえばビルばっかりですが、それも悪くはないですよ、夜景なんか奇麗で。あと、東京スカイツリーも近いです。

 そして、自然が少ない代わりに、下町には下町の良さがあります。江戸の昔からお互い助け合い、支え合いながら暮らしてきた庶民たち。その気質は時代が変わっても引き継がれ、今なお地元住民の間に根強く残っています。そんな“下町情緒”とでも呼ぶべきものの名残を、老人ホームに入居しながら体験できるのは、全国広しといえどもここぐらいではないでしょうか。(とは、ちょっと言いすぎかな?と反省しつつ後編へ続く)

JR「平井」駅より徒歩約15分。都営バス「小松川三丁目」バス亭より徒歩約3分
4階食堂。3~5階の間取りは同じで、結構ゆったり。
JR「平井」駅より徒歩約15分。都営バス「小松川三丁目」バス亭より徒歩約3分
居室。家具は備え付けではなく、前入居者が置いていったものの。

老人ホーム・介護施設探しは「老人ホーム相談プラザ」で
老人ホーム相談プラザは、有料老人ホームや介護施設を経験豊富な専門の相談員が店舗・訪問・電話・オンライン・一括資料請求等、無料で相談・紹介をしています。老人ホームのホームページやパンフレットに記載されていない評判や雰囲気、医療・介護体制の実態、特色など実際に訪問しないと分からない最新の情報を収集し、公正・中立な立場でプロの目線からお客様のご希望に合った老人ホーム・介護施設を選定・ご提案いたします。老人ホームの見学予約・見学同行・入居時の送迎支援、入居後のアフターフォローもおまかせください。
  1. 老人ホーム相談プラザトップ
  2. 老人ホーム取材レポート
  3. 介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ こまつがわ」(株式会社シダー)《前編》
お気軽に相談員にお尋ねください