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2019年03月26日

介護付有料老人ホーム「夕佳ゆめみがさき」 (株式会社エヌアールイーサービス)《前編》

JR東日本の関連企業「日本レストランエンタプライズ」の100%子会社が運営

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。今回は介護付有料老人ホーム「夕佳ゆめみがさき」を訪ねました。



 突然ですが、「食堂車」って、利用されたことあります? 列車の。近年は鉄道の高速化に伴いほぼ姿を消してしまったようですが、かつては新幹線や寝台特急といった長距離を走る列車にはたいてい「食堂車」があって、鉄道の旅の楽しみの1つとなっていたものです。ああ、なつかしいなぁ、という方も多いのではないでしょうか。

 もっとも、最近では「ななつ星」や「四季島」といった、いわゆる観光列車において「食堂車」が復活しており、それらは食堂車というよりはレストラン列車と呼ばれて大変な人気を博している、とは聞きますが、その話は置いといて。

1899年(明治32年)、山陽鉄道の京都―三田尻間ではじまったのが第1号とされ、その後全国に広がった「食堂車」の歴史についても本題ではないので詳しくは触れませんが、かつての国鉄時代、つまり民営化される前の国有鉄道内において、「食堂車」を運営していた会社を「日本食堂株式会社」といいます。

 遡ること昭和13年、支那事変の最中に戦時統合の一環として、それまで食堂業務を行っていた精養軒など6社から出資を受けて設立された「日本食堂」は、国鉄分割民営化により、JR各社に分割された地域の業務を子会社に経営譲渡し、新幹線を除く東日本方面の業務を引き継ぎました。

その後、JR東日本の子会社になるなどの変遷を経て、平成10年より「株式会社日本レストランエンタプライズ(NRE)」となり、現在は駅弁やレストラン、飲食店、新幹線や特急、グリーン車等の列車サービスなどを手掛けています。

 じつは今回登場の「夕佳ゆめみがさき」は、その「日本レストランエンタプライズ(NRE)」の100%子会社である「株式会社エヌアールイーサービス」が運営しているんです。というわけで、ここからが本題です。

「エヌアールイーサービス」は、JR東日本の関連企業として、高齢者福祉事業、環境推進事業、クレンリネス・サニタリー事業、JR寮事業、資産管理事業、エコロジー事業などを行っています。その中でも福祉事業としては、2004年4月、介護付有料老人ホーム「NRE大森弥生ハイツ」を開設。高齢者が安全に尊厳ある暮らしができ、スマートハウス化も含めた生活空間・各種サービスで最も優れた高齢者住宅を選定する「リビング・オブ・ザ・イヤー」で、2018年のファイナリストに選出され、優秀賞を受賞しています。

外観。手前は「地域交流室」の外にある「やよいテラス」
玄関。「コトニアガーデン新川崎」の中庭に面しているの道路からは見えない
1階奥から見たホールとメインエントランス

「NRE大森弥生ハイツ」(2004年開設)でリビング・オブ・ザ・イヤー優秀賞受賞!

 つまり、ここで強調したいのは、「夕佳ゆめみがさき」の運営会社が、JR東日本の関連企業である、ということ。要するに、JR東日本グループの一員といっていいわけで、これが同施設の大きな特徴といえます。鉄道や旅行が好きな方なら、このことだけでも検討の候補に入ってくるのではないでしょうか。

 また、老人ホームの経営面を気にされる方でも、経営母体がJR東日本グループなら、文句はないでしょう。なんてったって、あのJRですよ、かつての親方日の丸ですよ、って、あんまり言うと、逆に、「いくら経営母体が大きくても、老人ホームの経営は別ものだからねえ。大丈夫なの?」という人もいらっしゃるかもしれませんが、でも、ご安心ください。

 確かに、JR東日本という括りでみれば、老人ホームの運営は、異分野からの新規参入、ということになりますが、先ほど述べたように、「夕佳ゆめみがさき」の運営会社の親会社・NREは、JR東日本グループの中でも、鉄道事業ではなく、飲食部門を担ってきた会社で、飲食店運営はもちろんのこと、企業や学校等の給食事業も行っていますから、施設運営は手慣れたもの。心配はないでしょう。むしろ食事には期待できますよね。なにしろ、かつての「食堂車」の歴史や伝統を継承する会社ですから。

 さらに、新規参入とはいえ、なにもこの「夕佳ゆめみがさき」が初めて手掛けた施設というわけではありません。その前に「NRE大森弥生ハイツ」という実績があり、そこで得たノウハウも持っています。そのうえ、この「NRE大森弥生ハイツ」で「リビング・オブ・ザ・イヤー」優秀賞受賞という評価もいただいているのですから、もはや新規参入組とは言えないかもしれません。

 ということで、JR東日本の飲食部門を担ってきた会社から、福祉事業への参入を「NRE大森弥生ハイツ」で成功させ、その実績とノウハウを引っ提げ、満を持して2018年4月に華々しくオープンした「夕佳ゆめみがさき」へ、いざ、参りましょう!

 おっと、その前に、「夕佳ゆめみがさき」という施設名の由来について。気になっている人もいるでしょうからね。
 まず「夕佳」ですが、これは一日の中で最も情景深く、また斜陽の煌きによる美しさを持つ「夕日」を表す言葉。金閣寺の「夕佳亭」にちなみ、「夕焼けに映える金閣の美しさを一番感じられる夕佳亭のように」と名づけられました。そこには、世の中を創り育んでくれた先人の方が、せわしない日常からやっと解放され、日常の流れを取り戻し、今だから得られた自由と、ゆったりした尊く貴重な時の流れを感じながら過ごせる場所としてありたい……そんな想いが込められているそうです。

 そして「ゆめみがさき」は、これはもう、「夢見ヶ崎」という地名をひらがなにしただけだから、説明の必要はない、と思ったら、どうやらこれ、正式な住所ではないようですね。施設の住所も「川崎市幸区北加瀬2-11-5」だし。

 ただ、すぐ近くに「夢見ヶ崎動物公園」があり、周辺にも「夢見ヶ崎」の名を冠した学校やお店などがありますから、地元の方々は普通に地名として使っていることは間違いありません。こうしたケースは以前もありましたね。例えば横浜の「馬車道」なんかも、正式な住所ではないけど通称として使われていて、そのほうがイメージは良いという。

 「夢見ヶ崎」も、きっとそうなんでしょう。たしかに、言われてみれば、なんかメルヘンチックな名前ですよねえ、夢見ヶ崎って。なにしろ夢を見る崎、ですから。でも、老人ホームの名称としては、素敵ですよねえ、夢見ケ崎。さぞかし良い夢が見れそうで。ものは考えようですから(笑)。ではでは、「夕佳ゆめみがさき」で、夕日を夢見る暮らしとやらを覗いてみましょう。

「NRE大森弥生ハイツ」(2004年開設)でリビング・オブ・ザ・イヤー優秀賞受賞!
1階入って右手の広大な「地域交流室」。専用の出入口もある。
「NRE大森弥生ハイツ」(2004年開設)でリビング・オブ・ザ・イヤー優秀賞受賞!
「地域交流室」にあるキッチン。使用料は1組500円
「NRE大森弥生ハイツ」(2004年開設)でリビング・オブ・ザ・イヤー優秀賞受賞!
⑥2~4階エレベータ周りもこんなに余裕のスペース

「新川崎」駅から徒歩約12分、JR東日本の新しい街「コトニアガーデン新川崎」内

 最寄駅はJR横須賀線・湘南新宿ライン「新川崎」駅。改札を出て左手、方角としては西の「夢見ヶ崎動物公園」もある方へ向かって徒歩約12分の道のりは、ほぼ1本道なのでわかりやすく、迷うことはないでしょう。JR南武線「鹿島田」駅からは徒歩約17分。

 その「新川崎」駅ですが、東京からは横須賀線で22分。新宿からは湘南新宿ラインで24分。横浜からなら横須賀線でも湘南新宿ラインでも9分。川崎からは南武線で「鹿嶋田」駅まで5分、と、交通の便は大変良いです。

 バスなら、「川崎」駅西口より臨港バス川60乗車・約25分、「北加瀬2丁目」バス停下車・徒歩1分。他にも「武蔵小杉」「元住吉」「日吉」といった東急東横線の各駅からバスが運行しており、いずれも「北加瀬2丁目」バス亭下車徒歩約1分、または「北加瀬」バス停下車徒歩約6分。「日吉」駅からは「新川崎交通広場」バス亭下車徒歩約10分。東急東横線沿線の方や、「新川崎」駅から12分も歩くのはちょっと、いう方にはバスがおすすめです。

 取材当日は、「新川崎」駅からずんずん歩いて、この辺だろう、と思ったところに、ん?なにやら周囲とは異なる雰囲気の一画が。通りから見るとタリーズコーヒーやパン屋さんなどが入っている建物の奥にも結構大きめの建物がいくつか建っていて、その間に中庭のような芝生の広場やテラス、ガーデンなどが広がっていて、ひとつの街を形成しているような――後で聞けば、この一画は「コトニアガーデン新川崎」という、JR社宅跡地を再開発してつくった“新しい街”なんだそうです。

 「コトニアガーデン新川崎」は、“選ばれる沿線ブランドの確立”をめざしているJR東日本グループが、“多世代交流型まちづくり”をテーマに掲げ、地域やまち、多世代の交流を育む広場と、広場を取り囲む「賃貸住宅」「店舗」「高齢者福祉施設」「認可保育園」を整備。新しい地域に開かれたイベントを企画し、多世代が交流できる、地域に根差した、魅力あるまちづくりの一環として、誕生しました。

 つまり、JR東日本が、施設どころか、“新しい街”を丸ごとひとつ、つくってしまった、というわけですから、さすが、スケールが違いますね。ということは、「夕佳ゆめみがさき」に入居すると、イコール、ここ「コトニアガーデン新川崎」の住人になる、ということで、これも「夕佳ゆめみがさき」の特長の一つと言っていいでしょう。

 というのも、この「コトニアガーデン新川崎」がまた、“魅力的なまちづくり”を掲げるだけあって、さまざまな魅力に満ちているのですが、その話をすると文字数いくらあっても足りないので、一つだけ挙げるなら、この街は、“多世代のふれあい”を目的とした「子供から高齢者まで一緒に利用できる場」であること。これ、大事なポイントですよ。
 高齢者が住民の方々や子供たちと「楽しみや喜びを共有できる場」となり、「施設同士の連携による交流づくり」に取り組んでいるのが、「コトニアガーデン新川崎」であり、その中にある「夕佳ゆめみがさき」なのです。

 具体的には、「夕佳ゆめみがさき」を含む高齢者サービス施設(「NRE新川崎弥生テラス」という名称がついています)の隣に「にじいろ保育園北加瀬」という保育園があり、向かいに「びゅうリエット新川崎」という賃貸住宅もあって、それらの施設間での交流が可。さらに、さまざまな店舗が入る「WEST棟」「EAST棟」「SOUTH棟」で、スーパーやカフェ、ベーカリー、おしゃれ工房、エステ、体操教室、薬局や各種クリニック等々の利用により、住民同士の交流も生まれることでしょう。

 老人ホームの選択は、建物や設備だけではなく、周囲の環境も大事、とはよく言われますが、「夕佳ゆめみがさき」が位置する「コトニアガーデン新川崎」には、これ以上はない、といっても過言ではないほど、最高の環境が整っています。

 おっと、「夕佳ゆめみがさき」を目の前にしながら、「コトニアガーデン新川崎」の話で前編が終わってしまいました。続きは後編で――。

「新川崎」駅から徒歩約12分、JR東日本の新しい街「コトニアガーデン新川崎」内
2~4階「食堂 兼 リビング」。ルーフバルコニーに面しているので明るく開放的
「新川崎」駅から徒歩約12分、JR東日本の新しい街「コトニアガーデン新川崎」内
2~4階「食堂 兼 リビング」のソファ。入居者同士の交流&憩いの場
「新川崎」駅から徒歩約12分、JR東日本の新しい街「コトニアガーデン新川崎」内
エレベータ内でも動画が流れていて、まるで商業施設のよう

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