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2015年09月10日

介護付有料老人ホーム「すいとぴー金沢八景」(日総ニフティ)

横浜市金沢区にある「すいとぴー金沢八景」を取材。

毎回、お探し介護ライターが実際に足を運んで施設を訪ね、見て、感じて、体験したままを報告する施設訪問レポート。第5回目は「すいとぴー金沢八景」です。

 「すいとぴー金沢八景」を運営している「日総ニフティ」は、昭和46年創業以来「人を育て、人を活かす」という理念を掲げ、製造業の生産業務受託を通じて“ものづくり日本”の発展に貢献してきた日総グループ(日総工業株式会社)が、平成16年4月に組織を再編成し、総合福祉事業サービスとして進発させた会社。「すいとぴー」の花言葉である「献身・喜び」から発展した“分かち合う喜び”を事業活動の基本テーマとし、施設介護・在宅介護、デイサービスなど真心のこもったサービスを幅広くて提供しています。
 というのは、まあ、パンフレットに載っていた清水唯雄代表取締役社長の挨拶から抜粋しただけですが、この中の「人を育て、人を活かす」という企業理念と、施設名称にもなっている「すいとぴー」の花言葉から発展した“分かち合う喜び”という言葉は心に留めておいてください。

「日総ニフティ」は、介護付有料老人ホームとしては「すいとぴー金沢八景」の他、「コミュニティハウス すいとぴー新横浜」「すいとぴー三ツ境」「すいとぴー港南台mio」「すいとぴー本牧三溪園」の5つの施設を運営しています。今回の「すいとぴー金沢八景」に引き続いて他の施設も順次紹介していきますが、すべての施設において、この企業理念がしっかり根付いており、スタッフがまさに“分かち合う喜び”を持って働いておられる様子を肌で感じたことを、話の順序としては逆かもしれませんが、先にご報告申し上げたいからです。

というのは、取材に行くと、施設介護部の与田剛史営業部長から、まず最初にこう言われたのです。
「取材のお申し込みはたくさんいただきますが、お断りさせていただく場合もあるのです。なぜなら、私どものやっていることは、実際に見てもらわないと、伝えることができない、思っているからです。いくら美辞麗句を並べ立てても、言葉では伝わらないことがあります。だから現場に足を運んでいただいて、ある程度の時間をかけてしっかりと取材してくれる方の取材を、お受けするようにしています」
 どうです? おざなりな取材は受けないよ、という、一見高ビーな姿勢のようですが、その真意は、本当のところをきちんと取材して、正しく評価してほしい、という切実な願いでもあります。別の見方をすれば、正しい評価さえしてもらえれば、どこにも引けは取らないよ、という自信の現れとも言えると思います。

 その自信のほどは、実際に取材して、とくと理解致しました。「すいとぴー金沢八景」はもちろんのこと、他の施設でも、行けば、なるほど、と感心することが多々ありました。その内容についてはこれから順を追ってレポートしていくわけですが、それらすべての根底に流れているのが、「人を育て、人を活かす」という企業理念と、「すいとぴー」の花言葉から発展した“分かち合う喜び”ということなんだなあ、と、今振り返ってしみじみと感じたので、先に申し上げた次第。とはいえ、これ、私お探し介護ライターにとっては相当なプレッシャーですよ。なにしろ、言葉では伝わらないから実際に来て見てくれ、といわれたものを、私はこれから言葉で(写真も若干撮ってきましたけど)、皆さんにお伝えしていかなければならないわけですから。私の拙い文章でちゃんと真意が伝わるのか、非常に心もとないですが、前置きが長くなりました、本題に入ります。

リビングダイニングから見えるお庭

海が近いので気持ちの良い風も吹いています

「すいとぴー金沢八景」は、京浜急行線「金沢八景」駅より徒歩約10分(約800m)。快特が止まるから横浜から約21分、品川からは約44分で来れます。金沢八景という地については今さら説明の必要はないでしょうが、いいところですよね。地方出身の私ライターにとっては、あんまり詳しくは知らなくても、その名前だけで憧れてしまうところ。住所でいえば横浜市金沢区ですが、同じ横浜市でも、中心部の都会的雰囲気とはうって変わり、自然豊かでのんびりした土地柄だそうです。

 金沢八景駅を出るとすぐ海が見えます。平潟湾です。取材当日はあいにくどんよりした曇空でしたが、天気の良い日だとさぞ海風が心地良いでしょうね。その海に向かって右に折れ、ちょっと歩いてまた右の路地に入ってすぐ。感覚的には10分もかからないのではないかと思われるほど近くて便利です。しかも海沿いで交通量の多い道路からは少し離れているので、いたって静か。周辺環境は良好です。

 建物に入り、迎えてくれた河原大和施設長がまず最初に案内してくれたのが、屋上です。「すいとぴー金沢八景」の建物は地上4階建てでそれほど高くはないのですが、周囲に高い建物がないため、見晴らしはいいです。海が近いので気持ちの良い風も吹いています。取材当日には花壇しかありませんでしたが、季節によってはここにプランターを置いて、入居者様たちが農作物を育て、自分たちで収穫までしているそうです。その様子はいずれホームページなどで見ることができるでしょう。楽しそうでいいですよね。

 次に居室です。全室個室(夫婦等居室含む)で56室。個室は18㎡、夫婦部屋は36㎡。定員は58名(介護個室)。もちろん加湿機能付エアコン、温水洗浄暖房付便座付トイレ、三面鏡付洗面台、介護用電動ベット、クローゼット、カーテン、ナースコール、テレビ、電話、インターネット配線、スプリンクラーと、ひと通り揃っています。十分な生活スペースが確保されていると感じました。また廊下も広くて生活しやすそうです。とくに気に入ったのが、廊下につくり付けの腰掛けがあること。入居者様同士や面会者とのちょっとした立ち話が座ってできるので、これは便利ですね。

 共用施設の中で、特筆すべきはやはり浴室でしょうか。各階に浴室があるうえに1階に大浴場と、車椅子対応の特別浴室があります。私ライター自身が風呂好きなのですから、どうしても浴室が気になるのですが、これなら大丈夫ですね。とくに車椅子のまま入浴できる装置(名前はわかりません)は、へえ~こんなのもあったんだ、はじめて見たなあ、と思ってつぶさに観察していたら、なんと、「寄贈」というプレートがついているじゃないですか。聞いたら、入居者様やそのご家族が介護用設備などを寄贈することは、他の「すいとぴー」でもたまにあることらしいです。ピアノや応接用ソファなどを寄贈された方もいらっしゃるそうです。なるほど、入居者様やそのご家族に感謝され、地域で愛されていることがわかりますね。「母がここに住んでいた印を残したい」とご家族が庭に植樹を希望されたこともあるそうです。

 もう一つ気になるのが食事です。こちらも実際に食べさせてもらいました。当日のメニューは写真をご覧ください。普段、入居者様が食べている食事とまったく同じものです。いや~フツーにおいしいです。少なくとも学生食堂などよりは全然上のレベルではないでしょうか。ここの食事は、業者につくってもらっているとはいえ、給仕はフロアで行っていますから、温かいものは温かいうちに、食事制限のある人にはそれに合わせたきめ細かな対応をしてくれます。季節ごとのイベント食もあります。その業者自体、厳しく選別された業者ですから信頼できるうえに、給仕は職員たちが心を込めてやっていますから、大満足ですね。食事にはうるさいグルメな方も、ぜひ一度ご体験してみてください。

 1階に降りて、お庭も見せてもらいました。じつは屋上から下を眺めたとき、ひと目見て「あ~いい庭だなあ」と思っていたんですが、外に出て庭に足を踏み入れ、細かいところまで観察していると、じつによく手入れが行き届いていることがわかります。これ、ぜ~んぶ、職員たちが自分たちでやっているそうですよ。通常の業務だけでも忙しいでしょうに、ここまでできるとはたいしたもんです。それにしても、なぜ、ここまで庭にこだわっているのでしょうか。与田部長はこう話します。

海が近いので気持ちの良い風も吹いています
寄贈された機械浴

理念を現実のものにして運営

「庭の手入れを大事にする目的は、2つあります。1つ目は、入居者様の健康管理のためです。丹念に手入れされた四季折々に咲く美しい草花を見に行くという動機づけで外気浴をしてほしいのです。2つ目は、職員の教育のためです。花を育てるには、日々の細かい気遣いや、ちょっとした変化にも気がつくような繊細さが求められます。それは入居者様へのケアにも通じるものなのです。入居者様の要求に応じるだけではなく、もっと積極的に気持ちを察し、汲み取るといった気遣いを、花を育てることで養うのです。

 また、「これは介護ではないから私の仕事ではない」という勝手な仕事の線引きをしない。全てのことが自分たちの仕事だと認識することが大事だと思うのです。毎日、当たり前のことが毎日当たり前にできる人間になろう、という意味も込めて、職員たち自身が庭づくりに励んでいるわけです」

 うん、とてもいい話ですね。でも、ただでさえ忙しい職員がそのうえ庭仕事なんて、大丈夫なんですか?

「いやいや、決して無理はしていませんよ。私たちは、職員の犠牲のうえに事業は成り立つものではない、という考えですから、まずは職員が気持ちよく働ける環境をつくろうとしています。現在の職員の休日は年間125日。無駄な残業も一切ありません。これはこの業界では異例だと思います。弊社は業界の中でも離職率が低い会社だと思います」と胸を張る。

 世間的には3Kのイメージが強いこの業界で、年間休日125日は驚きです。もっとも、休日にもかかわらず自主的に出てくる職員も多いそうですが、それは決して強制されたわけではなく、自分の意思で出てくるというのですから、素晴らしいじゃないですか。業界のみならず、世間一般的にも働く人への待遇はかなり厚い様子。それが職場である施設内に現れて、いい雰囲気をつくっていることが、話を聞いてよ~く分かりました。ほんと、どこかのブラック企業にも聞かせてやりたい話です。

 では、なぜ、そうした職員の好待遇が可能なのかといえば、最初の企業理念や「すいとぴー」に込められた言葉の話に戻るというわけですね。崇高な理念を掲げていながら、実態はそれとはかけ離れた企業も多い中、理念を現実のものにして運営していること自体がすごいことです。拍手喝采。

 と、まあ、つい職員についての話が長くなりましたが、会社は“人”、とくに福祉関連は“人”が大事。だから、働く“人”を大事にする会社は、利用者にとっても絶対に、いい会社である。と私は思いますので、あえて“人”についての話に重きを置きました。同感していただけたら幸いです。次回は「すいとぴー 三ツ境」をレポートします。

理念を現実のものにして運営
河原大和施設長

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