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2015年09月10日

介護付有料老人ホーム「すいとぴー港南台mio」(日総ニフティ)

横浜市港南区にある「すいとぴー港南台mio」を取材。

お探し介護ライターが実際に施設に足を運んで、見て、聞いて、感じたことをありのままに報告する施設訪問レポートの第8弾。これまで過去3回にわたり、「日総ニフティ」が運営する「すいとぴー 金沢八景」、「すいとぴー三ツ境」、「すいとぴー本牧三渓園」とご紹介してきましたが、その「すいとぴー」シリーズもいよいよ最終回。トリを飾るのは、「すいとぴー港南台mio」です。

 まずは立地から。JR根岸線で横浜駅から9つ目、約24分の「港南台」駅で降りて、横浜市営バスの111系統(上大岡駅前行)は45系統(洋光台駅前行)に乗って約5分、「江南環境センター前」停留所で下車。そこから徒歩3分。とは、パンフレットに書いてあるままで失礼します。取材当日は訳あってクルマで送迎していただいたので。
 クルマだと、横浜横須賀線の「港南台インター」が近いので便利ですが、この周辺のほとんどが住宅街で、目印になるものが少ないので、はじめての人はカーナビがないと迷ってしまうかも。そんな時には電信柱にご注目。周辺の電信柱が道案内をしてくれます。ちょっと高台になっている地に、あたり一面に広がる民家を見下ろすようにして建っているのが「すいとぴー港南台mio」です。

 閑静な住宅地の中に位置しますから、静かで落ち着いた暮らしを望む方には最適ですね。「榎戸公園」も歩いてすぐ(約80m)。かといって、静かさを優先した分、買い物や生活の利便性には劣るのかといえば、決してそんなことはありません。スーパーマーケットや郵便局、ホームセンターなどは徒歩5、6分圏内にありますし、ちょっと足を伸ばせば「港南台高島屋」もあります(約1400m、徒歩18分)。ちなみに、「ブルージュの丘」という洋菓子店まで徒歩8分、約610mとわざわざパンフレットに記載されています。それほど有名な洋菓子店なのでしょうね。きっと。甘いもの好きな方は要チェックですよ。

 さて、「すいとぴー港南台mio」に到着し、その外観を眺めます。これはなんと言ったらいいんでしょうか。バルコニーの柵がアーチを描いたりしていて、地中海風というか、とにかくお洒落。これまでも、老人ホームらしからぬ、とか、とても老人ホームには見えない、といった表現を使って紹介した建物はありましたが、ここもまさしくそれですね。高級マンションと見紛うような外観の老人ホームが最近増えてきていますが、ここ「すいとぴー港南台mio」の外観は、高級マンションというよりは、海外のリゾートホテルの宿泊棟のようだ、という印象を受けました。

 石造りの階段を上がって中に入ると、エントランスがそのまま広々としたリビングダイニングにつながっていて、壁2面のガラス越しにキレイな庭を望めます。つまり、玄関から建物の反対側の庭まで見通せるわけで、開放的といえば、これ以上ないほど明るくて開放的な空間が広がっています。椅子やテーブルもハイセンス。その雰囲気は、前回の「すいとぴー 本牧三渓園」がお洒落なカフェもしくはサロン風とするなら、ここ「すいとぴー港南台mio」はやはりリゾートホテルのロビー風。そういう印象を受けました。

 それにしてもなぜ、こんな老人ホームらしからぬ建物や内装にしたのでしょうか? それには理由があって、もともとはここ「すいとぴー港南台mio」は、「適合高専賃」だったそうです。適合高専賃とは、正式には適合高齢者用賃貸住宅といい、厚生労働省が定めた制度です。“介護付きシニアマンション”とも呼ばれていました。しかし、この適合高専賃の制度は平成23年(2011年)10月に廃止されてしまったので、それを機に現在の介護付き老人ホームとなったということです。つまり、もともとは老人ホームではなく、シニア向けのマンションとしての理想を追求してつくられた建物が、「すいとぴー港南台mio」というわけです。

閑静な住宅地の中に位置する「すいとぴー港南台mio」

入った人が元気になる施設

「すいとぴー港南台mio」の居室は、老人ホームとしては珍しく、全室ユニットバス付き。IHシステムキッチンも冷蔵庫や洗濯機を置くスペースもついて、床下収納やトランクルームなど収納も多く、普通のマンションとほぼ変わりありません。さらに、各室ともに天井高に近いワイドな開口サッシを備え、ペアガラス採用で断熱性も万全。もちろん温水洗浄暖房付トイレ、洗面台、加湿機能付エアコン、介護用電動ベット、レースカーテン、ナースコール、テレビ配線、電話配線完備。床面はすべりにくく安全なシリコンコーティング仕様となっています。

 もっとすごいのは、特殊浴場。なんと、ヒノキ風呂なんです。車椅子の人でも入浴できるヒノキ風呂を見たのは初めてです。他にはまずないんじゃないでしょうか。
 このように、もともとはシニアマンションということもあり、入居者様はそれほど介護を必要としない、自立している方が多いのも「すいとぴー港南台mio」の特徴の一つです。自立している方が多いので、季節ごとのイベントやレクリエーションといった活動が盛ん。そうした活動は「すいとぴー」グループのどの施設でも行われていますが、ここ「すいとぴー港南台mio」はその中でもとくに活発なのだそうです。

 その一方で、「すいとぴー港南台mio」は終末期ケア(ターミナルケア)にも対応。“看とり”の方もいらっしゃいます。元気で自立している人から看とりの人まで、幅広い状態の方々が一緒に入居しているのも、ここの特色といっていいでしょう。

 そんな元気で自立されている方が多い中に、要介護の方が一緒に暮らすとどうなるか? 活発な方から元気をもらったり、刺激を受けたりして、入居時の状態よりも元気になります。もちろん、ただ一緒に暮らすだけではダメだと思いますよ。そこはスタッフのサポートが欠かせません。入居者様の状態や心境、性格といったことまで配慮した細やかなケアができるスタッフの支えがあってこその話です。

 その点、これまで見てきたように、“人と向き合い、人に寄り添う すいとぴー”ですから、スタッフのサポートやケアはもちろんのこと、施設全体の雰囲気も明るく、元気で前向きで、それまでは引きこもりがちだった人も自然と外へ出てゆく回数が増え、知らず知らずのうちに元気になってしまうという、良い環境がつくられています。入った人が元気になる施設、それが「すいとぴー港南台mio」と言っていいでしょう。

入った人が元気になる施設
車椅子の人でも入浴できるヒノキ風呂

口が悪いが根底には深い愛情が溢れている。小野寺施設長

そうした施設をつくりあげた施設長はどんな方でしょうか? お話を伺おうと待っていと、それまでなんだかバタバタと忙しそうに走り回っている人がいるなあ、と思って見ていたその人が、バタバタとやってきて、「はじめまして」とご挨拶。小野寺俊子さんです。「慌ただしくてすいません。でも、今日はまだマシなほうなんですよ。いつも『施設長はどこにいるんだ!』って怒られてます。庭仕事をしていて、掃除のおばちゃんと間違われることもよくありますねえ」と言って笑う、おしゃべり好きの陽気な方です。このとき出していただいたアイスコーヒーも、小野寺さんが自ら淹れてくれたことからもわかりますが、忙しいのは施設長が何でも自分でやっちゃうからのようで、どうやら働き者の施設長でもあるようです。

 そんな施設長が自ら手入れしている庭がまた見事。バラの季節には華やかなバラのアーチが出現したり、藤の花が咲く季節になると藤棚の下にある椅子が真紫に染まったり、季節ごとに違った表情を見せてくれます。ここの庭は建物をぐるっととり囲む回遊式で、建物に入らなくても鑑賞できるので、この庭だけでも鑑賞していただきたいぐらい。職員が自ら庭の手入れを行っているのが「すいとぴー」グループの特色の一つであるということは今までに何度も申し上げましたが、それを施設長が率先して行っているのが
すいとぴー港南台mio」なのです。

 話が逸れました、小野寺施設長の話に戻ります。よくよくお話を聞くと、小野寺施設長は、かれこれ10数年前、それまで福祉とは全然別の事業をやっていた「日総ニフティ」という会社が、異分野である福祉事業へ進出するとき、その計画や準備段階から関わってきたそうです。つまり、何もないところから「すいとぴー」を立ち上げ、ここまで大きくした立役者。同グループの創設者の1人といっても過言ではないほどの重要人物といえます。もっとも、ご本人は、大変ではあったけど、そんなにすごいことやったという意識もないようで、決して偉ぶることなく、ごく自然体ですが。

 案内してくれた与田営業部長はこう言います。「『すいとぴー 三ツ境』の後藤施設長と同じく、『すいとぴー港南台mio』の最大のアピールポイントがこの小野寺施設長です」。といいながら、与田営業部長は、ここへ来るといつも“冷や冷や”しているそうです。というのは、小野寺施設長、はっきりいって、口が悪いんです(笑)。たしかに、小野寺施設長は、思ったことを歯に衣着せず、ズバズバと言う人です。ときには入居者様に対しても、叱り飛ばすこともあるそうです。

 普通、こうした施設では入居者様に対する言葉遣いには気を使うものです。与田営業部長が“冷や冷や”する理由もそこにあるのですが、私は逆に好感を持ちました。こういう施設長がいてもいいんじゃないか、と、むしろ嬉しくなったぐらいです。というのは、とくに男性ならわかっていただけると思いますが、大人になったり、偉くなったりすると、だんだん叱られるということがなくなってくるので、わざわざ客を叱ることで有名な飲み屋のママのもとに通ったりする人もいますよね。例えは悪いかもしれませんが、そんなママに似た雰囲気を小野寺施設長に感じるのです。

 そうした小野寺施設長のキャラクターが、「すいとぴー港南台mio」全体の明るく活動的で、入居者様が「入ったときより元気になる」ような環境をつくり出していることは間違いないでしょう。「思ったことを何でもボンボン言い合うことがミュ二ケーション」であり、「ケンカも元気のバロメーター」が持論の小野寺施設長。それはただ単に叱ったり、ケンカするだけではないことは言うまでもありません。その根底には深い愛情が溢れています。常に入居者様の「ADL(アクティブ・デイリー・リビング)」を向上させるためにどうすればいいかを考え、そのためになることをズバッと口にしているのですから、叱られた方も納得しますし、後で感謝することもあったりして、良い関係が築けるのだと思います。かくいう私も、老人ホームのお世話になる年齢になったら、ここへ来て小野寺施設長に“叱られたい”と思いました。

 一方で、「すいとぴー港南台mio」では、前述したように「終末期ケア」にも対応していますから、“看とり”の方々とのざまざまなドラマもここにはあります。たとえば、天丼が大好きで、死ぬ前にもう一度天丼が食べたいと言っていた入居者様がいました。しかし、ずっと、食べ物を口にすることさえできない状態が続き、そのまま息を引き取ろうとしたとき、シェフが(言い忘れていましたが、ここは専任のシェフが常駐しており、彼が腕を振るう旬の食材を取り入れた季節感あふれるメニューも「すいとぴー港南台mio」の特徴の一つです)、食べられないことはわかっていながら、「つくりましょうか」と言って天丼をつくって、匂いだけでも嗅がせたのです。そのときの入居者様の「最後の一口を味わえて幸せです。ありがとう」という言葉が忘れられない、という話を聞いて、思わずもらい泣きをしそうになりました。

 その入居者様の娘さんは、今でもよくここへ来られるそうです。そういうのもいい関係ですよね。福祉業界の中では一風変わった施設長がいる老人ホーム。でも、その異色のキャラクターが、他の何ものにも変えがたい魅力にもなっているのが、「すいとぴー港南台mio」です。是非一度、見学に行って、小野寺施設長に会ってみてください(残念ながら顔写真の撮影は頑なに断られたので)。きっと、その魅力に惹かれることでしょう。

口が悪いが根底には深い愛情が溢れている。小野寺施設長
施設長が自ら手入れしている庭がまた見事

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