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2018年12月28日

介護付有料老人ホーム「ヒュッテ目黒」 (東京海上日動ベターライフサービス株式会社)《後編》

「目黒」駅より徒歩約10分。「大島神社」すぐ隣の好立地

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。介護付有料老人ホーム「ヒュッテ目黒」の後編です。



 「ヒュッテ目黒」へは、JR山手線「目黒」駅西口より徒歩約10分。東急目黒線「目黒」駅なら正面口を出て、権之助坂を下り、目黒新橋を渡って目黒通りをそのまま真っ直ぐ進めば、山手通りとの交差点の角に位置する「大鳥神社」が見えてきます。「ヒュッテ目黒」はそのお隣。駅から1本道ですし、「目黒通りと山手通りの交差点近く」と説明しやすいし、なにより、酉の市で有名な「大鳥神社」をご存知でしたら、「大島神社の隣」といえば一発ですね。なんてわかりやすい。

 バスなら「目黒」駅より東急バス[東98系統または黒01/02/06/07/09系統他]乗車約3分、「大島神社前」バス停下車、徒歩約1分(約50m)。クルマなら首都高速道路「目黒」出口より約4分(約1.5km)。目黒通りを挟んで向かい側に「ロイヤルホスト」があります。

 少し足を延ばせば、「目黒不動尊」や「雅叙園」といった名所あり、「林試の森公園」の自然もあり、春は目黒川沿いの桜並木も美しく、都会の山手にあって生活しやすい環境に在所している「ヒュッテ目黒」。その地上6階建ての建物は、目黒通りと、「大島神社」と施設との間にある狭い路地の角に長方形で建っているのですが、目黒通りに面しているのはコンクリート打ちっぱなしの側壁で、その1階部分に壁をくり抜いたように奥まった玄関があります。いかにも洗練された都会風の建物といっていいでしょう。

 そして長方形の長いほう、つまり居室やバルコニーは、その「大鳥神社」と施設との間の路地に面しています。といってもわかりにくいでしょうから、はっきり申し上げますと、「ヒュッテ目黒」の居室はすべて、「大島神社」の方を向いているのです。

 それがどういうことか、おわかりですか? 恐れ多くも、「ヒュッテ目黒」の高層階の居室から、「大鳥神社」が見下ろせる、ってことですよ。これはいい気分、じゃなくて、敬虔な気持ちで毎日を過ごせそうですね。いや、「神様を見下ろすなんてけしからん」とかは言いっこなしですよ。そういう造りなんだからしょうがない。入居者に罪はありませんから、そこは気兼ねなく、堂々と、神様を睥睨、もとい、俯瞰する暮らしを楽しみましょう。

6階テラス。都心に近い施設でこれだけ広いテラスはなかなかない。
6階リフト付浴室。お風呂でも木の温もりを感じられる
各フロアのダイニング。木の温もりを感じるテーブルやチェア

1階ダイニング兼ラウンジに「暖炉」、6階に「メモリアルホール」も設置予定

 では、建物の壁をくり抜いたような玄関から、館内へ入りましょう。ガラス張りの自動ドアが開いてすぐはエントランス。を通ってもう1つある木製の重厚なドアを開けると、いきなりテーブルが並んでいるダイニング兼ラウンジ。まるでレストランなど飲食店に来たかのようです。受付やスタッフルームは右手奥に引っ込んでいて、玄関からは見えないという、変わったレイアウト(玄関のエントランスに受付窓口あり)。スタッフよりも入居者がゆったりくつろげるスペースを大胆に広げた結果、こうなった、という感じです。

 そして注目すべきは、その1階の広大なスペースをデン!と2つに分けるように立つ白い長方形の柱の中で燃え盛る「暖炉」。いや、最初は気が付かなかったんですよ。柱の中に水槽を埋め込んだような形状で、まさかそれが暖炉とは露とも知らず、でしたが、言われてはじめて、あ、なるほど、と。さらに、スイッチ1つでボッ!と立ち上る炎を見て、あ~、いいなあぁ、暖炉がある暮らし。と思いましたね。

 そういえば「ヒュッテ」は「山小屋」の意。「山小屋」には暖炉がつきもの、ということでしょうが、まさかこんなお洒落な暖炉があるとは。ガラスに囲まれていますから、煙や臭いなどは感じませんが、雰囲気は満点。「山小屋」にふさわしい、粋な演出です。

 エレベータ内の壁も木製で、可愛い蝶々が舞っています(絵ですけど)。そんな山小屋風(ちょっと強引ですが)エレベータに乗って、まずは6階へ。この階には多目的室兼機能訓練室、テラス、浴室があります。

 なんてったって、ほぼ都心部と言ってもいい都会に建つホームですから、スペースはやはり限られますが、それでも狭いスペースをうまく使っている印象で、狭苦しさは感じないですね。むしろ外に出られるテラスなんかは、よく思い切りました、と言いたくなるほどのスペースを確保。天気の良い日は日向ぼっこが気持ち良さそうです。浴室も都会派ホームにしてはゆったり広々。また、毎年お盆の時期には、ここに「メモリアルホール」が設置されます。

 「メモリアルホール」とは、いままで「ヒュッテ目黒」でご逝去された方々を慰霊するコーナー。「ヒュッテ目黒」に限らず、「ヒルデモア/ヒュッテ」シリーズ全施設に共通の特色ですが、生前退去がめったになく、入居したら最後の“看取り”まで暮らし続ける方がほとんどだという同施設では、“看取り”が済んだら終わり、という考え方は決してしません。お亡くなりになった後でも、ご家族に訪ねていただきたい、1年に1度お盆の時期にはスタッフとともに故人を偲ぶことができるような場をつくりたい、ということで設けられるのが「メモリアルホール」なのです。

 そこでは遺影を飾ったり、玄関先で迎え火や送り火を炊いたり、といった催事も執り行われるそう。たとえ入居者が逝去されても、ご家族との関係が途切れないのは、とても素晴らしいことではないでしょうか。

1階ダイニング兼ラウンジに「暖炉」、6階に「メモリアルホール」も設置予定
各フロアの廊下。間接照明がいい雰囲気
1階ダイニング兼ラウンジに「暖炉」、6階に「メモリアルホール」も設置予定
居室。バルコニーから見えるのはもちろんお隣の大鳥神社
1階ダイニング兼ラウンジに「暖炉」、6階に「メモリアルホール」も設置予定
居室の開放型トイレ。カーテンなどで仕切りも可

「ターミナルケア」「食事」「認知症ケア」の3つを大切に

 居室は全35室で定員も35名。つまり全室個室で、広さは13.20~13.23㎡。と聞くと狭いように思いますが、実際に見ると意外に狭さは感じず、むしろゆったり。広く感じる理由の1つは、トイレに仕切りがないからでしょう。省スペースながら車椅子でも使いやすく、介護もしやすいのが開放型トイレのメリットですが、居室の戸を開けるとすぐトイレが目に入るのが嫌なら、厚めのカーテンなどを設置して仕切ればOKです。

 前編でも触れたように、高層階の居室からはお隣の「大鳥神社」を見下ろせるバルコニーがあり、外側もガラス張りなので、部屋の中からも外が見えて、ますます開放的。夜は間接照明が山小屋感を醸します。居室入口も軽量引き戸で楽々開閉。室内にスプリンクラー3個、火災感知器、非常放送用スピーカーなど防災設備完備。ナースコールは枕元とトイレの2カ所、コンセントは室内に3カ所、洗面台に1カ所、トイレに1カ所あります。

 ざっと館内を見て回ったところで、案内してくださった小山佳孝・入居相談部課長に、改めてお話を伺いました。小山さん、どうやら慣れている様子で、要点を絞ってまことにわかりやすく説明してくれます。それによると、「ヒュッテ目黒」では、次の3つの項目を重要視しているそうです。

 1つ目は「ターミナルケア」。ご本人が最後まで尊厳を持って安らかに旅立つことができるよう、また、ご家族が心を込めて看取りができるよう、看護スタッフ24時間常駐、職員体制は最低基準の倍を超える1.5:1以上、医療体制も協力医療機関の医師を主治医に指定すれば、定期的な診察だけでなく、24時間連絡可能で緊急時も適切に対応します(要別途契約)。胃ろう、在宅酸素、インスリン、ペースメーカー、喀痰吸引、ストーマ、膀胱内留置カテーテルなど、医療処置が必要な方もご相談ください。とにかく医療・看護・介護のプロがチームで見守り、ベストな支援を行っていきます。

 ちなみに他のホームでは、認知症などの症状が進行した場合や、入院等による不在が長期になった場合には、ホーム側から入居契約を解除できるようですが、ここ「ヒュッテ目黒」にそんな規定はありません。なぜなら、介護・看護体制に自信があるから。それを介護保険制度が始まった2000年より積み重ねてきた運営会社の歴史と信用があるから。だから、「ヒュッテ目黒」では生前退去がめったになく、ほとんどの方が最後まで、安心して住めるのです。

 2つ目は、「食事」。ということで、昼食を試食させていただきました。この日のメニューは、銀だらの西京味噌漬け焼き、昆布甘露煮、厚焼き玉子、鶏の治部煮(鶏肉・蓮根・椎茸・隠元・花人参)、ほうれん草の生姜和え、ご飯、味噌汁(なめこ・絹豆腐・長葱)、おやつ。ご飯は厳選したコシヒカリ一等米得Aランク米。と、こんな詳しく書けたのは、お品書きまで用意していただいたから。助かります(笑)。

 全体的に塩分少なめの優しい味ですが、出汁をしっかりとっているのでもの足りなさは感じません。食器にも気を使っていて、さすが、食事が売りというだけある納得の一膳。加えて当日は、噛む力が衰えた人や嚥下困難な人向けの「ペースト食」と「ソフト食」も試食させていただきました。

 まず、「ペースト食」を一口。なるほど、たしかに歯を使わずとも舌に乗せるだけですっと飲み込めます。味も意外にしっかり。だけど、やはりその形状から、食事というよりはデザートを食べている感覚。これでは味はあるけど味気ないですね。ということで、同じ柔らか食だけど、見た目は食材そのままに整えた「ソフト食」を。これが不思議なことに、味は同じはずなのに、口に入れたら食感も同じなのに、なぜかこちらの方が美味しく感じて、やっぱり食事は見た目が大事なんだなあ、と改めて実感。いや、いい経験をさせてもらいました。

 「ヒュッテ目黒」では、入居者の好みや体調の変化に対応するのはもちろんのこと、噛みやすさや飲み込みやすさに配慮した9種類の食事形態を取り揃え、歯科衛生士や言語聴覚士、看護スタッフとも連携し、入居者の状態に合った形態の食事を提供します。その中でも今回試食したソフト食は、「モアディッシュ」と呼ばれる「ヒルデモア/ヒュッテ」の隠れた名物。皆さんもぜひお試しを。

 そして3つ目が、「認知症ケア」。といっても、単なるハウツーではありません。正式には「認知症ケアマッピング(DCM)」といいますが、これは英国のブラッドフォード大学の故トム・キッドウッド教授が提唱した、「パーソン・センタード・ケア」という認知症ケアの理念に基づくもの。このDCMの研修を受けたDCM使用者を「マッパー」と呼ぶそうですが、「ヒルデモア/ヒュッテ」にはその「マッパー」が何人かいて、実際に現場で活躍している、といいます。

 おっと、そんな話をすれば、「DCM」についてもっと詳しいことを知りたくなりますよねえ。でも、このへんで文字数一杯となりました。逃げるようで恐縮ですが、「DCM」についてはご自身でお調べください。「DCM」への理解が深まれば、その「DCM」を積極的に取り入れている「ヒルデモア/ヒュッテ」への信頼度もますます高まることと存じます。

 ということで、これにて終了!と思いきや、大事なことを忘れていたので、文字数オーバーだけどもう少し。取材の最後に、吉松忠司・支配人にもご挨拶できたので、ついでに、なにか一言、とお願いすると、
「我慢しないでください」
とのお言葉。その真意は、入居者にスタッフの顔色を窺うようなことはさせたくない、自分の家にいるのと同じように、自由に、のびのびと暮らしてほしい、ということですね。そのために、「ヒュッテ目黒」では「コンタクトパーソン」がすべての入居者(特定施設入居者生活介護等利用契約を結ばれている方が対象)に1人ずつつきます。「コンタクトパーソン」は、入居者が入居前と同じように自分らしく暮らせるように、その人に合ったサービスを考え、チームに共有しています。この「コンタクトパーソン」の存在も、「ヒュッテ目黒」が「“本物”の終の住処」になり得る所以の1つです。

 いかがでしょうか。介護の先進国デンマークを出発点とし、「ターミナルケア」「食事」「認知症ケア」の3項目を重要視し、「コンタクトパーソン」による「我慢しなくていい、自分らしい暮らし」を最後の「看取り」まで実践できる、「“本物”の終の住処」。そんな「ヒュッテ目黒」にぜひ、見学や体験入居などご検討ください。(了)

「ターミナルケア」「食事」「認知症ケア」の3つを大切に
当日試食した昼食メニュー。普通のお店で出せるレベル
「ターミナルケア」「食事」「認知症ケア」の3つを大切に
右がペースト状のきざみ食、左が成形したソフト食。食べ物は見た目も肝心
「ターミナルケア」「食事」「認知症ケア」の3つを大切に
支配人の吉松忠司さん

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