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2019年11月28日

介護付有料老人ホーム「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」(宗教法人 阿弥陀寺)《後編》

看護師の常勤5人、非常勤4人、他では見られないほどの看護師体制

 お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。介護付有料老人ホーム「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」の後編です。



 事業主体(事業母体ともいう)が「阿弥陀寺」という宗教法人であること、そして、施設名にナーシングという言葉が入っていることからもわかる通り、ナースすなわち看護師が常勤5人、非常勤4人という、他ではみられないほどの看護師体制が特長の「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」。

 ですから館内には看護婦さんの姿が多いし、建物もそれっぽいし、玄関入ってすぐ目の前が食堂というちょっと変わった造りですが、その食堂の雰囲気も、まるで病院に来たかのような気がする施設だなあ、と、思ったことは前編で申し上げましたが、病院っぽく感じる理由は他にもありました。

 それは、後で聞いたんですが、廊下の幅。なんでも廊下をあえて病院と同じ幅にしているそうで、しかも壁は白、扉は淡いモスグリーン、床はほのかな暖色、といった配色もますます病院っぽく、その幅広い廊下にむき出しの洗面台が並んでいたり、普段皆さんが使っている折りたためる車椅子とは別の、今まで見たことがないどっしりしたソファのような車椅子が廊下に置いてあったりして、なるほど、これはもう、まったくの医療機能重視型ですな。医療ニーズの高い方への対応を第一に考えた造りにすると、こういう感じになるんだなあ、という見本のような施設です。

 極めつけは、4人居室、つまり相部屋の存在でしょう。「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」の居室は1人居室が56室、2人居室が5室、そして相部屋の4人居室が2室ありますが、その広さ33.02㎡の4人部屋はそのまんま病院の病室のよう。ここは24時間常に監視が必要な重度の方のための部屋ですが、重度になればなるほど、個室よりも相部屋のほうが機能的に便利、ということでしょう。なにか緊急事態があったときも、個室より相部屋のほうがすぐ看護師さんが駆けつけられますからね。逆にいえば、それだけ重度の入居者が多い、ということも言えるでしょう。

 ちなみに入居時条件は原則65歳以上で要支援・要介護認定を受けている方で、身元引受人が必要。認知症、徘徊の方、胃ろう、在宅酸素、バルーンカテーテル等重度の方を受け入れていますが、その他の医療が必要な方もぜひご相談ください。他の施設で断られた、という方でもここなら大丈夫かもしれませんよ。

 私もお探し介護ライターとしてこれまで結構な数の施設を取材していますが、相部屋がある老人ホームは、多分はじめてです。同時に、ここまで徹底した医療型の老人ホームというのも、もしかしたら初めてかもしれません。入居を検討されている中で、まず、何はさておき医療体制の充実が条件だ、という方はぜひ一度、見学されてみることをお勧めします。場所が離れている等で検討の候補には入らないという方でも、参考までに見ておいたほうがいいと思いますよ。



自慢の中庭。花が咲く頃にもう一度来たい。
浴室入口。温泉じゃないけど温泉に来た気分。
特殊浴室(機械浴室)。なんかすごそう。

常勤の理学療法士による「笑顔のあるリハビリ」を実践

 と、まあ、病院っぽいことをついつい強調しすぎたかもしれませんが、ここは老人ホームであることをお忘れなきように。食堂や廊下などの共用スペースはたしかに病院のような雰囲気ですが、1人部屋56室、2人部屋5室の居室に入れば、そこはプライベートがしっかり保たれ、快適な暮らしを楽しめる憩いの居住空間となっています。

 居室面積はAタイプ2人部屋16.74㎡、A´タイプ個室8.37㎡、Bタイプ2人部屋18.08㎡、Cタイプ2人部屋18.62㎡、Dタイプ個室1.02㎡と、数字だけみればさほど広くはなさそうですが、トイレがないぶん広々ゆったり、自由に使えます。備品はベッドとキャビネット以外は備え付けではありません。

 なにより、敷地のほぼ中央に配置された自慢の中庭に面している部屋からは、四季折々に美しい花が咲き誇る自慢の花壇を眺められるのがいいですね。中庭にはベンチも置かれていて、天気の良い日には日向ぼっこも気持ち良さそうです。

 また、病院と同じ幅の廊下には、他の老人ホームと同様、習字や絵画など入居者の作品が飾られているコーナーがちゃんとあって、レクリエーションもしっかり活動されていることが伺えます。

 先ほどから病院っぽいだの、医療機能重視だの、散々申し上げてきましたので、医療以外は二の次なのか、とか、生活を楽しめる施設ではないんじゃないか、などと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはないですからね。医療依存度が高い方が多いのはたしかですが、ここで医療をしっかり受けて、また、当施設のもう1つの特色であるリハビリも頑張って、入居直後よりも元気になった、状態がよくなった、という方がたくさんいらっしゃいます。

 いただいた資料にその改善例の記載があったので、そのまま引用してみましょう。
【退院後に歩行にふらつきがあり、1人で歩行困難だったA様、移動は車いすを利用し認知症の症状が現れ発語もほとんどなく無表情でした。
 そこで、身体訓練よりも「心のケアから始めました。A様の心にそっと寄り添い不安感を取り除く事を心がけ、お好きな歌を歌える環境作りや、外気浴などの気分転換に努めました。その結果、2週間後には「笑顔」が見られ、その後「発語」がありました。
 現在はリハビリを積極的に行えるようになり、歩行姿勢も安定するまでに回復、スタッフのジョークにも応えられるほど改善されています】

 このように、「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」では、理学療法士(PT)を常勤配置して、日常生活動作の改善を主とした機能訓練を行っています。名付けて「笑顔のあるリハビリ実践」というわけです。

 また、個別リハビリテーションとして、専従のPTのもと、一人ひとりにあった機能訓練計画を作成・実施している他、実施記録による効果測定を行い計画を見直したり、カンファレンスにより職員への徹底も図ることとで、より効果の上がる機能訓練を実施しています。

 実際、当施設へ入居後に介護度が2段階も下がった、という方もいらしゃるそうですよ。すごいですね。医療依存度が高い方だけでなく、リハビリで元気になりたい方にもおすすめの施設です。

常勤の理学療法士による「笑顔のあるリハビリ」を実践
一般浴室の浴槽。入浴は週3回。
常勤の理学療法士による「笑顔のあるリハビリ」を実践
一般浴室にも機械浴が置かれ、機械浴の頻度の高さが伺える
常勤の理学療法士による「笑顔のあるリハビリ」を実践
リハビリ用具の数々。専従の理学療法士による個別リハビリも実施。

病院食っぽいけど意外に美味い食事、一般入浴は週3回、暮らしも楽しめる施設

 生活を楽しむうえで欠かせない「食事」と「入浴」についても述べておかなくては。「食事」は今回もしっかり試食させていただいたんですが、これまで散々「病院のような」施設だと申し上げてきましたので、食事も「病院食」っぽいんでしょ?と思いますよね。私もそう思っていました。そして、実際に運ばれてきたメニューを見て、やっぱり、な、と。まあ、食器が病院でよく見るプラスチック製なので余計にそう見えるんでしょうけど。

 ところが、ですよ。一口食べて、あれ?と思いましたね。意外に美味いじゃないの。ご飯は病院食にありがちな不味いお米ではないようで、ちゃんと米の旨味を感じますし、味噌汁もしっかり。メインのおかずの唐揚げなんか、お店で食べるのと変わらないですぜ。

 とはいえ、さすがにどこぞの施設のように名のある料理人がつくっているとか、食事を売りにしている施設とかの食事に比べれば、まあ、正直、普通だな、という評価になってしまいますが、医療重視型の施設であることを考えると、かなり頑張っているのではないか、と、偉そうな言い方ですいませんが、そう思いました。少なくとも、いわゆる「病院食」よりも全然美味しいことは、たった一食だけで判断するのもなんですが、請け合いますよ。皆さんもぜひ試食してみてください。

 「浴室」も見せてもらいました。「浴室」は一般浴室と機械浴の特殊浴室がありまして、特殊浴室にははさすが、重度の方が多い施設らしく、寝たたままで全身お湯に浸かれる大きな機械がデン!と鎮座。恐らく最新式なんでしょう。

 そして、一般浴室にも機械浴の設備が置いてあるんですが、こちらは思ったよりもずいぶん広めで、湯船も大きいので、さほど邪魔にはならず、普通浴と機械浴が同居しています。浴室の設備は素晴らしいです。

 特筆すべきは、一般浴は週3日の入浴となること(特浴対象の方は週2日)。これはお風呂好きにはうれしいですね。介護保険法では週2回の入浴が決められており、大半の有料老人ホームでは週2日なんですが、「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」の入浴は週3日。これ、意外に大きなポイントかもしれません。

 では、最後となりましたが、施設長、ではなく、ここでは「園長」と呼ぶようなので、鈴木康夫園長の話を伺いましょう。
「私たちが目指しているのは、入居者様には、『ここを選んでよかった』と、思っていただける施設、スタッフには、『自分の家族も入居させたい』と思えるような施設、です」

 そして、そう思ってもらえるだけの自信はある、と、控えめながらきっぱり断言する鈴木さん。その根拠となっているのが、どうやらスタッフとの信頼関係のようで、聞けばここのスタッフは長く勤めている人が多く、ほぼ全員が5年以上だと言います。これは、人手不足で入れ替わりも激しいとされるこの業界では驚くべきこと。長く働いている人が多いということは、それだけ働きやすい、ということでしょうね。

 そんな中に園長として他のグループ施設から移ってきた鈴木さん。つまりスタッフのほとんどが自分より古くからこの施設にいるわけで、「そんなスタッフの方々にいつも助けられています」と笑う鈴木さんは、いかにも気は優しくて力持ち、といった風貌。取材のため館内を案内して下さっている合間にも度々入居者に声をかけ、車いすを押したりしている姿に好感が持てます。医療依存度が高い入居者が多いのに、館内はむしろ他の老人ホームよりも活気がある、と感じたのも、鈴木園長とスタッフ、そしてスタッフと入居者との信頼関係がきちんとできているからでしょうね、きっと。そんな「敬老園 ナーシングヴィラ東船橋」、一見の価値あり、ですよ。(了)

病院食っぽいけど意外に美味い食事、一般入浴は週3回、暮らしも楽しめる施設
リハビリ用マット。笑顔のあるリハビリを実践。
病院食っぽいけど意外に美味い食事、一般入浴は週3回、暮らしも楽しめる施設
取材当日の朝食メニュー。病院食っぽいけど意外に旨し。
病院食っぽいけど意外に美味い食事、一般入浴は週3回、暮らしも楽しめる施設
鈴木康夫園長。いかにも気は優しくて力持ち、といった感じ。

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