介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ 上大岡」 （株式会社シダー）《後編》
異彩の「髪結い」（理美容室）と、温もりを感じる食堂
お探し介護ライターが実際に施設へ足を運んで、見て、聞いて、体験して、感じたままを報告する施設訪問レポート。介護付有料老人ホーム「ラ・ナシカ 上大岡」の後編です。
老人ホームにしては珍しい木製の重厚な玄関扉、それを開けると目に飛び込んでくる巨大花飾りの異空間（エントランス）、そしてアンティーク感漂うフロント周り。館内に足を踏み入れた瞬間から、「普通の老人ホームとは違うぞ」という空気をビンビン感じさせる「ラ・ナシカ 上大岡」ですが、出迎えてくださった桑畑博明施設長の案内で奥に進めば進むほど、その空気は強くなっていくようです。
まずは１階の理美容室。花柄の表札に「髪結い」とあります。それだけでもうすでに他とは違うのですが、中を覗けば、ナンダコレハ？ もはや何色かもわからないので写真をご覧ください。こんな壁色の理美容室、今まで取材した老人ホームにあっただろうか、いや、ない。と、つい反語が出てしまいましたが、それぐらい異彩を放っている理美容室。いや、「髪結い」。面白いっすねえ。
雰囲気もそうだけど、スペースも余裕たっぷりで、椅子や鏡などもいちいちお洒落で、ここでなら髪をあたってもらうのが楽しみになることでしょう。
さらに廊下を進みます。いい色合いの木の床と白い壁の廊下は広々していて、白いカーテン越しに降り注ぐ陽光も燦燦と。館内の間取りというか、レイアウトがコの字型になっていて、廊下が外に面している部分が多いので、採光も十分です。廊下の壁に掲げられた「お買い物イベント開催」のお知らせまで高価そうな額縁に収まって、まるで絵画のように飾られていました。
続いて１階食堂へ。67室の施設にしてはちょっと狭いかな、と思ったら、狭いのは１階だけで、２階と３階の食堂は広いです。その雰囲気は、異彩の理美容室、いや「髪結い」とは一変して、日常の生活感のある落ち着いた印象。生活感があるといっても、ごちゃごちゃしているとかではないですよ。すっきり上品ながらも、緑系の壁色や観葉植物、そして廊下とはちょっと違う光沢のあるフローリングが温もりをもたらす心地良い空間です。
ここでいただく食事については、今回は残念ながら試食はなし。でも、まあ、前々回の「ラ・ナシカ こまつがわ」で試食させてもらっているので、それとほぼ同レベルと思っていいでしょう。なんてったって同じグループですから。
非日常感漂うゴージャスな「カラオケ＆シアタールーム」
食堂を出て、いったんエレベータの前を通り、機能訓練室へ。エレベータの扉にまで花柄のプリント、しかも各階で色違い。見るだけで心和みます。飾りや置物はアンティーク風ですが、壁紙は和モダン風。センスがいいねえ。
食堂より広い機能訓練室には、各種のトレーニングマシンや平行棒などが備えてあり、さすが、“リハビリに強いラ・ナシカ”の面目躍如、といった感じ。
ですがそれよりも驚いたのは、「シアタールーム」と「カラオケルーム」です。
前々回の「ラ・ナシカ こまつがわ」にもあったので、これはグループ共通の設備のようですが、ここの壁紙がまた、コレハナンダ（笑）。先ほどの「髪結い」部屋と同様、もはや何色とか、どんな模様かを説明する言葉を持たないので、これも写真を見てほしいのですが、まあ、ゴージャスというか、非日常感満載。カラオケルームにはミラーボールまで回っちゃってます。
カラオケや映画を楽しむためだけに「ラ・ナシカ 上大岡」を訪ねたい、と思うほどのカラオケ＆シアタールームです。
１階には浴室もあります。が、残念ながら使用中で見ることができず。パンフレットをみると、「温泉気分でリフレッシュ」できるような大浴槽があるみたいですね。２階と３階にも個浴室があり、こちらは見ることができましたが、個浴でも十分な広さの浴槽です。入浴は週３回。車椅子の方もリフトにて対応します。
花柄の扉のエレベータに乗れば、床も廊下と同じような感じのフローリング。木の床のエレベータというのも珍しいんじゃないでしょうか。そのエレベータで２階へ上がり、居室も見せていただきました。
温水洗浄暖房付トイレ＆洗面付きの居室は、エアコンやベッドなどの基本設備完備はもちろんですが、加えて洋服箪笥と整理箪笥の収納付き。おまけに洗面台と箪笥の間にも例の和モダン風の壁紙を施してあったりして、ここでも他との違いを強調しています。床には滑り止めのワックスを塗っているなど、安心・安全への心配りも万全。居室の種類は全67室すべて同じ１タイプです。
ついでに居室玄関のネームプレートも切り絵アートのようでお洒落。廊下のところどころに置かれた家具や時計などの調度品もアンティーク風だったり、現代アート風だったり色々ですが、とにかくお洒落。館内を歩き回っていて、こんなに写真を撮りたくなる施設もめったにないでしょうね。
建物や設備だけでなく、スタッフのサービスにも自信あり
２階と3階の食堂は、１階でいえば機能訓練室とカラオケ＆シアタールームを合わせた空間と同じ間取りで、１階の食堂の倍以上の広さ。テーブルや椅子はおそらく１階の食堂と同じなので、雰囲気は似ていますが、テーブルとテーブルの間のスペースもよりゆったり。
そして食堂にもある洗面台が、またしても陶器のボウルで、まあお洒落だこと。その他、細かいところまでもっとじっくり見ていけば、まだまだお洒落なこだわりがたくさんあるとは思いますが、あんまりそのことばかりに気を取られていてもいけないので、「ラ・ナシカ 上大岡」が建物や設備だけでなく、「サービスも他には負けていない」ということを、桑畑施設長自ら説明していただきましょう。
「皆さんがうちへお越しいただくと、設備や調度品などについてはよくお褒めの言葉を頂戴するのですが、私共としましては、スタッフのサービスについても自信を持っておりますので、ぜひそこにもご注目いただきたいですね。そうして当施設のことを十分にご理解していただいたうえで、当施設を“満喫していただける方”をお迎えしたい、と私共は考えています」
なるほど、施設を満喫してほしい、なんて、よほど自信がないと言えないセリフです。たとえば、パンフレットでは介護にかかわる職員体制は「３：１以上」（「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」第175条の規定による）と表記されていますが、実際にはそれ以上の手厚い体制を敷いていることのほうが多いと言います。
つまり、パンフレットには記載していないだけで、実際には間違いなくパンフレット以上のサービスを提供している場合が多々ある、ということ。また、パンフレットには24時間・３６５日の安心サービス、看護師は８時30分～21時30分配置、夜間オンコール対応などの基本情報は記載されており、協力医療機関もいくつか書いてありますが、その数も実際はパンフレット以上だし、その内容も認知症に強い病院があったり、かかりつけの病院と並行しての診察も可能だったり、パンフレットではわからない部分もかなりあります。
なので、できれば実際にここへ来て、体験してほしい、と桑畑施設長。事前に資料やパンフレットで調べるのもいいけど、まずは「体験入居」（詳細はホームページなどで確認を）されてみることをおすすめします、とのことです。
「体験入居」してみれば、「なるべく現場に出ること」がモットーだという桑畑施設長にも会えるかもしれませんし、会えなくても、フレンドリーな職員がどんなことでも快く対応してくれますから、積極的に話しかけてみてください。
そして、「入居はゴールではなく、スタートです。末長いお付き合いをさせていただきたいと思っています」と語る桑畑施設長はじめスタッフ一同の誠心誠意を込めたサービスを一度体験されてみてはいかがでしょうか。
（※サイト管理部より注釈：2018年７月現在、施設長は交代されたようです）
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